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アジャラ・テキスタイル

アジャラ・テキスタイル(Adjara Textile)は、ジョージア西部の黒海沿岸を拠点に、スポーツウェアを中心としたアパレルを受託縫製する会社である。生産の全量が輸出向けで、ナイキ、アディダス、プーマ、ロット、エリマといった国際的なブランドの製品を縫っている。フォーブス・ジョージアの「100大企業」(2021年決算)では売上高2億9,434万ラリで第35位に入り、製造業としてはジョージアで最大級の雇用主でもある。

Adjara Textile

解説 · 2026年8月時点

アジャラ・テキスタイル(Adjara Textile)は、ジョージア西部の黒海沿岸を拠点に、スポーツウェアを中心としたアパレルを受託縫製する会社である。生産の全量が輸出向けで、ナイキ、アディダス、プーマ、ロット、エリマといった国際的なブランドの製品を縫っている。フォーブス・ジョージアの「100大企業」(2021年決算)では売上高2億9,434万ラリで第35位に入り、製造業としてはジョージアで最大級の雇用主でもある。

同社はトルコのミルテックス・グループの傘下にある。ミルテックスはトルコ国内に20を超える工場を持ち、イスタンブールで国際的なバイヤーから受注してジョージアで生産する体制をとっている。ジョージアのアパレル産業は、この形でトルコ資本が持ち込んだ受託縫製が最大の柱になっている。

正式名LLC Adjara Textile(შპს აჭარა ტექსტილი)
操業開始2008年(コブレティ)
本拠ジョージア・バトゥミ
事業スポーツウェアを中心とするアパレルの受託縫製。生産は全量が輸出向け
工場コブレティ(2008年)、バトゥミ(2011年)、ポティ(2017年)、ルスタヴィ(2020年、子会社カルトリ・テキスタイル)
従業員3工場で3,500人(2020年7月時点)
生産量年1,500万点超(2020年時点、同社の説明)
主な取引先ナイキ、アディダス、プーマ、ロット、エリマ
売上高2億9,434万ラリ(2021年通期。フォーブス・ジョージア「100大企業」第35位)
資本関係トルコのミルテックス・グループの傘下

工場の展開

同社は2008年にアジャラ自治共和国のコブレティで操業を始め、2011年にバトゥミ、2017年に黒海の港湾都市ポティ、2020年にルスタヴィへと工場を広げた。ルスタヴィの工場は子会社カルトリ・テキスタイルが運営する。

欧州連合のプロジェクトEU4Businessが2010年代後半にまとめたジョージアのアパレル産業の調査では、当時の同国のアパレル産業は約200社で、その大半が従業員5〜10人の零細企業、産業全体の雇用は約6,536人と推計されていた。上位7社はいずれもトルコ企業のジョージア子会社で、その中で投資規模が最大だったのがアジャラ・テキスタイルである。同調査の時点でバトゥミに1,100人超、コブレティに1,000人の従業員を抱えていた。

2020年7月、ルスタヴィで子会社カルトリ・テキスタイルの工場の起工式が行われ、当時のギオルギ・ガハリア首相とナティア・トゥルナヴァ経済・持続可能な発展相が出席した。国は縫製工場の建設を目的として土地と建物を象徴的な1ラリで供与し、会社側は2,000万ラリを投じる。うち1,000万ラリは政府の産業支援制度エンタープライズ・ジョージアの融資である。当時の発表では3,000人の雇用を予定し、その9割が女性になるとされた。この工場ではリバプール、チェルシー、ボルシア・ドルトムントのユニフォームが縫われると報じられた。

ジョージアのアパレル産業の中での位置

ジョージアのアパレル産業はソ連期に発達し、当時はソ連全域に製品を出荷していた。独立後の約20年は停滞し、近代的な工場が現れたのは2007年以降である。現在の産業は、トルコ資本の大規模な受託縫製工場と、少人数のジョージア系工場という二層構造になっている。前者はトルコの親会社から直接受注し、後者はイタリアのモンクレールやドイツのレベックといった買い手、あるいは政府の制服調達を主な販路とする。

ジョージアがこの産業を誘致できた理由は、トルコに近いこと、賃金が相対的に低いこと、そして欧州連合との深化した包括的自由貿易圏(DCFTA)をはじめとする貿易協定の網である。一方で、EU4Businessの調査は、労働安全や環境などの国際的な生産基準への適合が進んでいないことを、欧州のバリューチェーンへ直接組み込まれるうえでの弱点として挙げていた。

また、拡張の制約は資金ではなく人手にある。アジャラ・テキスタイルの担当者は調査の際、ポティに1,500人規模の第3工場を開く計画に対して採用が難しいと述べていた。地方の人口減少と出稼ぎは、労働集約型の縫製業がジョージアで拡大するうえでの構造的な壁になっている。

新型コロナ下の対応

2020年の新型コロナウイルスの流行時、同社は政府のマスク生産の制度に最初に参加した企業の一つとなり、必要とされた時期に大量の製品を縫った。輸出向けの縫製能力を国内向けの緊急需要へ振り向けられることを示した例として、当時の経済相が言及している。

参考資料

この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。

アジャラ・テキスタイルとは | Caspian Intelligence