解説 · 2026年8月時点
アスタナ・モーターズ(Astana Motors)は、カザフスタン最大の自動車企業である。もとは輸入車のディーラーだったが、現在はヒュンダイと中国ブランドの組立工場を国内に持ち、輸入販売と製造の双方を手がける。2024年通期の売上高は1兆1,800億テンゲで、Forbes Kazakhstanの私企業ランキング3位、納税額でも国内3位に入る。中央アジアの自動車市場が輸入依存から現地生産へ移る過程を、一社で体現している企業といえる。
| 正式名 | Kazakh Motor Company Astana Motors LLP |
|---|---|
| 創業 | 1992年 |
| 事業 | 自動車の輸入販売・整備、自動車の組立製造、EV充電網の運営 |
| 売上高 | 1兆1,800億テンゲ(2024年通期、21.25%増) |
| 従業員 | 1万683人(2024年) |
| 納税額 | 1,570億テンゲ(2024年。Forbesの私企業ランキングで3位) |
| 取扱ブランド | ヒュンダイ、スバル、BMW、MINI、ジャガー・ランドローバー、ハヴァル、TANK、奇瑞、長安、BYD、ジェネシスなどの正規輸入元。トヨタ・レクサスの正規ディーラー |
| 生産拠点 | ヒュンダイ・トランス・カザフスタン(乗用車、年産5万台)、ヒュンダイ・トランス・アルマトイ(商用車・バス)、アスタナ・モーターズ・マニュファクチャリング・カザフスタン(多ブランド、年産12万台) |
| オーナー | ヌルラン・スマグロフ氏 |
販売事業
1992年に創業し、自動車の小売と整備から事業を始めた。現在はヒュンダイ、スバル、BMW、MINI、BMWモトラッド、ジャガー・ランドローバー、ハヴァル、TANK、奇瑞、長安、BYD、ジェネシス、ゴールデンドラゴン、フォトンの正規輸入元であり、トヨタとレクサスの正規ディーラーでもある。ウズベキスタンではヒュンダイの正規輸入元、BYDのディーラーを務める。
電気自動車向けの充電網MyChargeも運営し、機器の輸入と充電インフラの整備を進めている。
製造事業
乗用車工場のヒュンダイ・トランス・カザフスタンは2020年10月に稼働した。年産能力は5万台、敷地面積は4万平方メートルで、従業員は1,300人を超える。トゥーソン、ソナタ、エラントラ、サンタフェ、パリセード、スタリア、ムファサ、カスティンなど複数のヒュンダイ車を生産し、一部の車種は溶接・塗装を伴うCKD方式へ移行している。
商用車工場のヒュンダイ・トランス・アルマトイは2011年から稼働し、トラック、バス、救急車、消防車などを製造する。2023年には溶接・塗装を伴うCKDラインを2本立ち上げ、市バス425台とゴールデンドラゴンのスクールバス200台を生産した。2024年にはカタフォレシス塗装ラインを備えた新工場棟を整備し、投資額は119億テンゲ(総額では185億テンゲの見込み)である。
2025年9月には多ブランド工場アスタナ・モーターズ・マニュファクチャリング・カザフスタン(AMMKZ)がアルマトイ工業団地で稼働した。奇瑞、長安、ハヴァル、TANKといった中国ブランドの乗用車を年12万台の能力で組み立てる。このほか、自動車部品のテクノパークではシート製造(Almaty Autoparts Production、2025年3月稼働)とマルチメディア機器(Kazakhstan Mobility Engineering、2024年10月稼働)が始まっている。
参考資料
- Astana Motors develops car manufacturing in Kazakhstan — Astana Group(公式) ↗
- 75 крупнейших частных компаний Казахстана — 2025 — Forbes Kazakhstan ↗
この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。