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自動車組立工場(アフトスボーロチヌイ・ザヴォード)

自動車組立工場(ОАО «Автосборочный завод»)は、ビシケク市内にある小規模な機械製造企業である。社名は「自動車組立工場」だが、現在の主力製品は乗用車ではなく、農業用トラクターに牽かせる4トン・6トンのトレーラー、ごみ収集車、シャシー台車、ユーロ規格のごみ容器といった、農業と自治体の現場で使う車両・器材である。

Avtosborochny Zavod

解説 · 2026年8月時点

自動車組立工場(ОАО «Автосборочный завод»)は、ビシケク市内にある小規模な機械製造企業である。社名は「自動車組立工場」だが、現在の主力製品は乗用車ではなく、農業用トラクターに牽かせる4トン・6トンのトレーラー、ごみ収集車、シャシー台車、ユーロ規格のごみ容器といった、農業と自治体の現場で使う車両・器材である。

2026年4月7日にキルギス証券取引所へ上場したが、2026年8月21日時点で株価がつくほどの取引は成立していない。上場に伴って監査済みの財務諸表が公開されたことにより、キルギスでは珍しく、中小規模の製造業の中身を数字で追える企業になった。

正式名ОАО «Автосборочный завод»(Avtosborochny Zavod OJSC)
法人登記1995年6月26日(登記番号1452-3300-АО)
所在地キルギス・ビシケク市ヴァリハノフ通り4
事業トラクター用トレーラー、ごみ収集車、シャシー台車、ユーロコンテナなどの製造。金属製品・金属構造物、自動車のサービス、不動産賃貸
売上高4,588万1,490ソム(2025年通期、監査済み)
純利益1,883万3,638ソム(2025年通期、監査済み)
総資産1億5,811万5,156ソム(2025年12月31日時点)
自己資本1億4,345万6,563ソム(同)
授権資本56万5,075ソム(額面5ソム。普通株10万6,800株、優先株6,215株)
所有形態民間(監査報告書の記載)
上場2026年4月7日にキルギス証券取引所(KFB)のカテゴリーBに上場。取引成立はない(2026年8月21日時点)

会社の概要

監査報告書によれば、同社は1995年6月26日に法人登記され、登記番号は1452-3300-АО、企業分類コード(OKPO)は2004年5月28日付である。所在地はビシケク市ヴァリハノフ通り4で、ビシケク大口納税者管理局に納税者登録されている。所有形態は民間である。

授権資本は56万5,075ソムで、額面5ソムの普通株10万6,800株(53万4,000ソム)と優先株6,215株(3万1,075ソム)に分かれる。株式は無記名の非文書形式で発行され、普通株1株に1票の議決権がある。授権資本の額そのものは小さく、自己資本の大半は資本剰余金2,830万9,752ソムと利益剰余金1億1,434万2,303ソムが占める。

定款上の事業目的は幅広い。第一に生産で、各種自動車、その部品、産業用・生活用の金属製品と金属構造物、専用工具の製造、自動車のサービス・保証・技術整備を含む。第二に商業で、卸売・仲介、販売拠点の運営、資材と設備の販売である。第三にサービスで、マーケティングと不動産の賃貸が挙げられている。

生産と販売

監査報告書に添付された2025年の操業実績によれば、生産額は4,218万3,200ソムで、前年の2,859万3,300ソムから51.0%増えた。内訳は4トンのトラクター用トレーラーが57台(前年51台)で2,233万7,600ソム、6トンのトレーラーが7台(前年5台)で59万7,100ソム、ごみ収集車が2台(前年ゼロ)で730万ソム、その他製品が1,290万8,500ソムである。

販売額は4,588万1,500ソムで前年の2,790万6,100ソムから64.4%増えた。注目すべきは輸出比率で、2025年の輸出は2,369万3,100ソムと販売額の半分を超える。国内向けは2,218万8,400ソムだった。前年(輸出1,594万6,200ソム、国内1,195万9,800ソム)と比べても、輸出が伸びを牽引している。

給与総額は4,925万6,000ソムで、1人あたりの平均月給は4万8,865ソム(前年3万5,389ソム、38.1%増)である。工場の規模は、この給与総額と平均賃金からおおよそ見当がつく水準にある。

財務の構造

2025年12月31日時点の貸借対照表では、総資産が1億5,811万5,156ソム、負債合計が1,465万8,593ソム、自己資本が1億4,345万6,563ソムである。負債の大半は短期で1,313万6,588ソム、長期は繰延税金負債の152万2,005ソムだけであり、銀行借入への依存はほとんどない。

損益計算書には特徴がある。本業の営業収益が4,588万1,490ソムであるのに対し、「その他の営業収益」が8,295万9,527ソムと本業を上回る。定款に賃貸業が掲げられていることを踏まえると、工場用地・建物の賃貸が収益の重要な部分を占めているとみられる。営業利益は2,629万2,234ソム、営業外収支は744万8,596ソムのマイナスで、税引前利益は1,883万3,638ソムとなった。2025年は法人所得税費用がゼロで、純利益は税引前利益と同額の1,883万3,638ソムである。前年の純利益は943万5,524ソムだった。

監査人はОсОО «ОБ - Тендик - Аудит»(ビシケク)で、監査報告書は2026年3月10日付である。財務諸表は国際財務報告基準に従って作成され、ソムで表示されている。

読み方の注意

同社は上場しているが、2026年8月21日時点で取引が成立しておらず、証券取引所の一覧でも時価総額は表示されない。株価から企業価値を測ることはできない。

また、本業の製造よりも「その他の営業収益」のほうが大きいという損益の形は、この会社を製造業として一律に評価することの限界を示している。トレーラーの生産台数(年60台余り)と、ビシケク市内の工場用地という資産の両方を見て判断する必要がある。

上場の意味

同社が2026年4月に証券取引所へ上場したことで、2023年から2025年までの貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書、資本変動計算書、監査報告書が公開された。キルギスでは企業を売上高で順位づけした公的資料が存在せず、非上場企業の財務はほとんど表に出ない。年商5,000万ソム規模の製造業の中身がここまで見える例は多くない。

上場一覧では普通株と優先株の双方がカテゴリーBに登録されているが、直近約定価格の欄は空白で、証券数も0と表示されている。上場と流通は別物であることを示す典型例で、資金調達の手段というより、開示義務を引き受けたことによる信用の獲得という側面が強い。

販売の半分以上を輸出が占める点は、内需の小さいキルギスの製造業としては注目に値する。トラクター用トレーラーは農業機械の周辺財で、近隣国の農業需要に直接つながる製品である。ただし輸出先の国別内訳は公表されていない。

参考資料

この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。

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