解説 · 2026年8月時点
アゼル・トルコ銀行(ATB)は、アゼルバイジャンの国有系銀行である。政府が75%を保有し、投資持株会社(AIH)の管理下にある。規模は同国6位(2024年、総資産ベース)と中堅だが、統治改革を通じて短期間に順位を上げた例として注目される。2023年に10位だった資産順位は、2024年に6位へ上がった。
| 正式名 | Azer-Turk Bank OJSC(ATB) |
|---|---|
| 設立 | 1995年5月 |
| 本店 | アゼルバイジャン・バクー |
| 事業 | 商業銀行業務。法人・住宅ローン・中小企業向けが中心 |
| 総資産 | 12億1,800万ドル(2024年)。国内6位 |
| 貸出 | 4億6,600万ドル、預金9億2,100万ドル(2024年) |
| 純利益 | 1,200万ドル、自己資本利益率21%(2024年) |
| 不良債権比率 | 1.4%(2024年。業界平均2.4%) |
| 店舗・従業員 | 17店舗(うち10店はデジタル支店)、従業員700人、ATM70台超 |
| 所有形態 | アゼルバイジャン政府75%(AIH管理下) |
沿革と統治改革
1995年5月に設立された。2021年にアゼルバイジャン投資持株会社(AIH)の管理下へ移され、企業統治と経営体制の刷新が進められた。AIHが掲げる国有企業改革のなかで、比較的短期間に成果が数字に表れた事例として説明されることが多い。
戦略として掲げているのは、非石油部門と輸出向けの法人取引の拡大、インフラ・住宅・中小企業向け融資、デジタル化による効率化などである。
業績と特徴
2024年の総資産は12億1,800万ドル、自己資本は5,900万ドル、純利益は1,200万ドルで、自己資本利益率は21%だった。貸出は4億6,600万ドル、預金は9億2,100万ドルである。不良債権比率は1.4%で、業界平均の2.4%を下回る。
17ある店舗のうち10店をデジタル支店が占める構成で、店舗網を広げずに顧客基盤を伸ばす方針をとっている。住宅ローンでは残高ベースで国内5位に位置し、手ごろな条件の提供者として知られる。
格付けの追い風もある。2025年半ばにムーディーズがアゼルバイジャンのソブリン格付けを投資適格のBaa3(見通しポジティブ)へ引き上げ、フィッチもBBB-(安定的)を維持している。国全体の資金調達環境の改善は、国有系銀行の与信コストに直結する。
参考資料
- Azerbaijan Investment Holding Overview Presentation(2025年9月、Azer-Turk Bank の財務データ) ↗
- Azerbaijan Investment Holding(公式サイト) ↗
この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。