解説 · 2026年8月時点
アゼルアルミニウム(Azeraluminium)は、アゼルバイジャンの国営アルミメーカーである。南コーカサスで唯一、ボーキサイトやアルミナから金属アルミをつくる一次生産を行う企業であり、生産の90%を15か国以上へ輸出する。石油・ガス以外の輸出を増やすという同国の課題において、実際に外貨を稼いでいる数少ない製造業の一つといえる。
| 正式名 | Azeraluminium LLC |
|---|---|
| 設立 | 2008年3月 |
| 本社 | アゼルバイジャン |
| 事業 | アルミの製錬・鋳造・圧延 |
| 位置づけ | 南コーカサスで唯一の一次アルミ生産者 |
| 生産能力 | 一次アルミ年5万トン、連続鋳造4万トン、冷間圧延2万5,000トン、インゴット10万トン |
| 売上高 | 1億4,700万ドル(2024年)。EBITDA2,100万ドル(利益率14%) |
| 総資産 | 2億2,600万ドル、自己資本2億900万ドル(2024年) |
| 輸出 | 生産の90%を15か国超へ |
| 従業員 | 1,000人超 |
| 所有形態 | アゼルバイジャン政府100%(2024年よりAIH管理下) |
事業と生産能力
2008年3月に設立された。生産能力は一次アルミが年5万トン、連続鋳造4万トン、冷間圧延2万5,000トン、インゴット10万トンである。製錬から鋳造、圧延までを国内で完結させる体制を持ち、非鉄金属分野では同国最大の企業にあたる。従業員は1,000人を超える。
2024年の売上高は1億4,700万ドル、EBITDAは2,100万ドル(利益率14%)だった。総資産2億2,600万ドルに対し自己資本が2億900万ドルと、負債の少ない財務構成をとっている。売上は2022年の1億6,900万ドルから2023年に1億4,600万ドルへ落ち込み、2024年に持ち直した。アルミ地金の国際価格の変動を素直に受ける事業である。
拡張計画
同社が掲げる投資計画は複数ある。第一に製錬能力の拡張で、第二工場を建設し、リサイクル炉を加えて二次生産にも対応することで、年間生産能力(リサイクルを含む)を25万トンへ引き上げる構想である。第二にアルミ箔工場の新設で、年産2万5,000トンを目標とする。
第三に、石油コークスを原料とするアノード(電極)工場と焼成工場の建設がある。年間12万トンのアノードを国内で生産し、輸入依存を減らす狙いである。石油精製の副産物を電極の原料に使う設計であり、産油国の強みを製造業に取り込む発想といえる。第四にダシュケサンのザイリク明礬石鉱床の処理で、原料の国内調達を進める。
2024年に投資持株会社(AIH)の管理下へ移され、企業統治の改革が進められている。
参考資料
- Azerbaijan Investment Holding Overview Presentation(2025年9月、Azeraluminium の財務・生産データ) ↗
- Azerbaijan Investment Holding(公式サイト) ↗
この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。