解説 · 2026年8月時点
アゼルコットン(Azercotton、現地名アゼルパンブグ)は、アゼルバイジャンの国営綿花会社である。2万2,000ヘクタールで綿花を栽培し、繰綿工場7か所で繊維に加工する。農家に種子、肥料、農薬を供給する営農支援も行っており、同国の綿産業を垂直に統合した事業体といえる。従業員は2,000人を超え、地方の雇用の受け皿でもある。
| 正式名 | Azercotton LLC(現地名 Azərpambıq) |
|---|---|
| 設立 | 2018年 |
| 本社 | アゼルバイジャン |
| 事業 | 綿花の生産、集荷、加工、販売。綿実、綿実油、原油などの副産物も扱う |
| 作付面積 | 2万2,000ヘクタール |
| 生産量 | 実綿6万5,000トン、綿繊維2万7,000トン |
| 設備 | 集荷施設6か所、繰綿工場7か所 |
| 売上高 | 7,400万ドル(2024年)。総資産1億3,100万ドル、自己資本1億400万ドル |
| 従業員 | 2,000人超 |
| 所有形態 | アゼルバイジャン政府100%(2024年よりAIH管理下) |
事業の構成
2018年に設立された。作付面積は2万2,000ヘクタール、実綿の収穫量は6万5,000トン、綿繊維の生産量は2万7,000トンである。集荷施設6か所と繰綿工場7か所を持ち、綿実、綿実油、粗油といった副産物も製品として扱う。栽培から加工、販売までを一つの会社が担う構成をとる。
2024年の売上高は7,400万ドル、総資産は1億3,100万ドル、自己資本は1億400万ドルだった。売上総利益率は10%、EBITDA利益率は2%で、収益性は高くない。加工設備の効率改善が経営上の課題として挙げられている。
投資計画
掲げられている計画は二つある。一つは糸とデニム生地の工場建設で、トルコの繊維メーカーと組み、アラト自由経済地区に総面積6万平方メートルの拠点を設ける構想である。年間1,800万メートルのデニム生地の生産能力を目標とし、原料として年1万5,000トンの綿を自社の栽培から供給する。綿を繊維のまま輸出するのではなく、生地まで加工して付加価値を国内に残す発想である。
もう一つはシルヴァンにある製油工場の近代化で、日量30トンの種子処理能力を持つ設備を更新する。2023年に18.81%だった原料の歩留まりの損失を、近代化後に10.57%まで下げる計画が示されている。製品の主な輸出先はトルコで、アジア市場への拡大を目指すとされる。
2024年に投資持株会社(AIH)の管理下へ移された。綿花は旧ソ連期から中央アジア・コーカサスの主要な換金作物であり、加工度を上げて輸出するという方向は、周辺国とも共通する政策課題である。
参考資料
- Azerbaijan Investment Holding Overview Presentation(2025年9月、Azercotton の財務・生産データ) ↗
- Azerbaijan Investment Holding(公式サイト) ↗
この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。