解説 · 2026年8月時点
アゼルテレコム(AzerTelecom)は、アゼルバイジャンと世界のインターネット網をつなぐ基幹(バックボーン)通信事業者である。2008年に設立され、民間のネクソル・ホールディング傘下のアゼルコネクト・グループに属する。同社を域内で重要にしているのは「デジタル・シルクウェイ」構想である。欧州とアジアをアゼルバイジャンとカスピ海経由で結ぶ光ファイバーの回廊を敷設する事業で、物流の中間回廊に対応するデータの回廊をつくる試みといえる。
| 正式名 | AzerTelecom LLC |
|---|---|
| 設立 | 2008年 |
| 本社 | アゼルバイジャン・バクー |
| 事業 | 国際バックボーン通信、国際音声、データセンター、専用線 |
| 親会社 | ネクソル・ホールディング(アゼルコネクト・グループの一員) |
| 主要事業 | デジタル・シルクウェイ(欧州とアジアを結ぶ光ファイバー回廊) |
| カスピ海横断ケーブル | スムガイト(アゼルバイジャン)とアクタウ(カザフスタン)を結ぶ全長約380キロの海底光ファイバー。カザフテレコムと共同 |
デジタル・シルクウェイ
デジタル・シルクウェイは、欧州とアジアをアゼルバイジャンとカスピ海を経由して結ぶ基幹光ファイバー網を敷設する構想である。総額2億5,000万ドル超の規模とされ、ネクソル・ホールディングが主導する。欧州とアジアを結ぶデータ通信は従来ロシア経由か、中東・インド洋経由の海底ケーブルに依存してきた。カスピ海を横断する第三の経路をつくることが、この事業の狙いである。
中核となるのがカスピ海横断光ファイバーケーブルで、アゼルバイジャンのスムガイトとカザフスタンのアクタウを結ぶ全長約380キロの海底ケーブルである。カザフテレコムと共同で進めており、最大400テラビット毎秒の伝送に対応する設計とされる。2026年に入って実際の敷設作業が始まり、両社は同年末までの完成を目指している。
事業と提携
同社の事業は、国際バックボーン回線の提供、国際音声、データセンター、専用線、SIP電話などである。国際的なインターネット相互接続点との接続を広げており、欧州の大手インターネットエクスチェンジであるDE-CIXとの提携も発表している。
掲げる方針には、政府の情報通信政策への協力、官民連携(PPP)の推進、デジタル経済の育成が並ぶ。国の通信インフラ政策と民間資本の事業が重なる位置にあり、アゼルバイジャンを地域のデータ中継地にするという国家目標の担い手になっている。
参考資料
この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。