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バイ・トゥシュム銀行

バイ・トゥシュム銀行(ОАО Банк «Бай-Тушум»)は、マイクロファイナンス機関から出発して汎用銀行になったキルギスの商業銀行である。同行によれば、キルギスで初めて預金受入免許を得たマイクロファイナンス機関であり、中央アジアで初めて完全な銀行免許を得たマイクロファイナンス機関でもある。

Bank Bai-Tushum
公式サイト ↗

解説 · 2026年8月時点

バイ・トゥシュム銀行(ОАО Банк «Бай-Тушум»)は、マイクロファイナンス機関から出発して汎用銀行になったキルギスの商業銀行である。同行によれば、キルギスで初めて預金受入免許を得たマイクロファイナンス機関であり、中央アジアで初めて完全な銀行免許を得たマイクロファイナンス機関でもある。

同行は自らを国内上位10行の一つと位置づけ、総資産99億ソム、顧客19万5,000人超、全国65か所を超えるサービス拠点を持つと説明している。国立銀行の登録簿に載る支店は7で、支店以外の小規模拠点を含めた数と考えられる。

正式名ОАО Банк «Бай-Тушум»(Bank Bai-Tushum OJSC)
前身マイクロファイナンス基金から預金受入免許を持つマイクロファイナンス会社を経て、2012年に完全な銀行免許を取得
免許キルギス国立銀行の免許第050号。免許登録簿への記載は2012年11月13日
本店キルギス・ビシケク市ウメタリエフ通り76
支店7(キルギス国立銀行の登録簿、2026年8月14日時点)。サービス拠点は65超(同行の記載)
総資産99億ソム(同行の記載)
顧客数19万5,000人超(同行の記載)
特記キルギスで初めて預金受入免許を得たマイクロファイナンス機関。中央アジアで初めて完全な銀行免許を得たマイクロファイナンス機関
認証国際的な顧客保護基準SMARTの認証を2014年と2016年に取得(キルギス初)

沿革

同行は金融基金として始まり、預金受入免許を持つマイクロファイナンス会社を経て、完全な銀行免許を持つ汎用銀行へ発展した。キルギス国立銀行の免許登録簿によれば、免許第050号の登録日は2012年11月13日である。

マイクロファイナンス機関としての出自は、この銀行の性格を今も規定している。融資の対象は農村部の小規模事業者や個人が中心で、少額・多数の与信を扱う体制が土台にある。同行は2015年10月28日付で電子マネーの発行許可を得ており、非対面での決済にも早くから取り組んできた。

同行は、キルギスで初めて国際的な顧客保護基準SMART(Client Protection Principles)の認証を受けた銀行であるとしている。取得は2014年と2016年の2回である。また、マイクロファイナンスの国際的なクラウド融資プラットフォームであるKivaの、キルギスにおける唯一の提携銀行だと説明している。

事業

個人向けには消費者ローン、教育ローン、自動車ローン、預金、VisaとエルカルトのカードのほかJuniorという子ども向け決済カードを扱う。オンラインでの融資申込、カード申込、教育ローン申込、自動車ローン申込、預金開設に対応している。

デジタル分野では複数の「キルギス初」を掲げている。カード決済を受け付ける小型のモバイル端末(mPOS)を市場に投入した最初の銀行であること、自前の電子商取引の場「BTB Market」を立ち上げた最初の銀行であること、モバイル決済サービス「BTB Pay」を国内で最初に始めたことを挙げている。

法人・事業者向けには貿易金融(トレードファイナンス)も扱う。マイクロファイナンス出身の銀行としては珍しく、輸出入の決済を支える業務まで手を広げている。

マイクロファイナンスから銀行へ

キルギスの金融部門では、マイクロファイナンス機関が銀行へ転換する経路が制度として用意されてきた。1990年代から2000年代にかけて、国際的な援助機関や社会的投資家の資金で多数のマイクロクレジット機関が生まれ、そのうち規模を得たものが預金受入免許、続いて銀行免許へと段階を上がった。

同行はこの経路の最初の例にあたる。同じ道を通った銀行には、FINCA銀行(2015年3月3日免許登録)とコンパニオン銀行(2016年1月11日免許登録)がある。いずれも、農村部の小口融資という出自を持ちながら、決済カード、モバイルアプリ、電子商取引まで手を広げている点が共通する。

この経路をたどった銀行は、顧客保護や社会的成果の測定に関する国際的な認証を重視する傾向がある。バイ・トゥシュムのSMART認証、FINCAとコンパニオンのCerise+SPTFによる顧客保護認証がその例で、いずれも国際的な投資家に向けた信用の担保として機能している。

規模と読み方

同行が示す総資産99億ソムという数字は、経済専門紙エコノミストが区分する「資産200億ソム以下」の層にあたる。同紙が2026年6月末時点でまとめた順位表では、同行は上位10行に名前が挙がっていない。同行自身の「国内上位10行」という説明との差は、基準時点と対象の取り方の違いによる可能性があるが、公表資料からは確認できない。

総資産の数字がいつ時点のものかは、同行のウェブサイトには明示されていない。読み手は、この数字が特定の日付に紐づかないことを前提に扱う必要がある。純利益、貸出残高、預金残高、従業員数も公表されていない。

国立銀行の登録簿によれば支店は7だが、同行は「65を超えるサービス拠点」を持つとしている。キルギスの銀行では、支店(филиал)と、より小規模なサービス拠点(сберегательная касса、операционный офис)が制度上区別されており、この差が数字の開きを生んでいる。

読み方の注意

同行のウェブサイトに載る「総資産99億ソム」「顧客19万5,000人超」「サービス拠点65超」といった数字には、基準となる日付が添えられていない。ウェブサイトの記述は随時更新されるため、いつ時点の値なのかは外部からは判断できない。

「国内上位10行に入る」という自己評価も、資産・利益・顧客数のどれで測ったものかが示されていない。各行の公表財務諸表を集計した経済専門紙エコノミストの2026年6月末時点の順位表では、上位10行に同行の名前はない。読み手は、自己申告の順位と第三者の集計を分けて受け止める必要がある。

参考資料

この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。

バイ・トゥシュム銀行とは | Caspian Intelligence