解説 · 2026年8月時点
コスコム(FE COSCOM LLC)は、Ucellのブランドで携帯電話サービスを提供するウズベキスタンの通信事業者である。1996年にCoscomの名で開業し、2007年にスウェーデン・フィンランド系のテリア(当時テリアソネラ)の傘下に入って、2008年にUcellへブランドを改めた。2018年12月、テリアが持分を国の機関へ売却したことにより国有企業となった。
ウズベキスタンの携帯市場は、ウズベクテレコム系のUzmobile、ビーライン・ウズベキスタン(VEON系)、Mobiuz、そしてUcellが競う構図で推移してきた。Ucellはそのなかで長く上位を占めてきた事業者である。
| 正式名 | FE COSCOM LLC(外国企業コスコム有限会社)。ブランド名はUcell |
|---|---|
| 開業 | 1996年(Coscomのブランドで) |
| ブランド変更 | 2008年にUcellへ |
| 所有 | ウズベキスタン国有(民営化企業支援・競争発展国家委員会が2018年12月にテリアから取得) |
| 取得価額 | 2億1,500万ドル(借入なしベース、2018年12月5日公表) |
| 従業員 | 約1,250人(2018年、売却時) |
| 契約数 | 710万(2018年、売却時) |
| 網の到達 | 2Gが国土の約97%、3Gが約60%(2018年時点) |
| 評価 | Ooklaの測定で2026年上半期の「最良のモバイル網」「最速のモバイルインターネット」(自社公表) |
沿革と所有の変遷
1996年にCoscomのブランドで開業した。2007年にテリアソネラ(後のテリア)が取得し、2008年にUcellへ改称した。テリアは2010年代に中央アジア事業をめぐる汚職の調査に直面し、この地域からの撤退方針を決めていた。
2018年12月5日、テリアはFE COSCOM LLC(Ucell)の持分を、ウズベキスタン共和国の民営化企業支援・競争発展国家委員会へ、借入なしベースで2億1,500万ドルにて売却した。売却時のUcellは従業員約1,250人、契約数710万で、2Gの網はウズベキスタンの国土の約97%、3Gの網は約60%を覆っていた。この取引により同社は完全な国有企業となった。
2021年1月に承認された2021〜2023年の投資計画では、Ucellを基盤とする合弁企業の設立が有望な投資案件の一覧に含まれていた。ウズベキスタン政府は国有企業の民営化を進める方針を掲げており、通信部門でもユニバーサル・モバイル・システムズ(Mobiuz)の100%売却が2026年に完了している。
事業
個人向けには料金プラン、各種サービス、オンラインストア、支払い、家庭向けインターネットを提供し、法人向けと販売代理店向けの窓口も持つ。携帯端末向けアプリと、AIを使ったチャットボット「Barsik」を導入している。
同社は公式サイトで、Ooklaの測定に基づき、2026年上半期のウズベキスタンにおける「最良のモバイル網」および「最速のモバイルインターネット」に選ばれたと掲げている。
契約数、売上高、利益といった最新の財務・営業数値は、同社の公開資料からは確認できない。国有企業としての開示は限られており、規模を測る手がかりは監督官庁や統計委員会が公表する市場全体の数字に頼ることになる。
参考資料
- Davis Polk Advises Telia Company AB on the Sale of Its Interest in Ucell(Davis Polk、2018年12月5日) ↗
- Ucell(公式サイト) ↗
- Uzbekistan may create a JV on basis of Ucell(Kun.uz、2021年1月8日) ↗
この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。