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ダイハンバンク

ダイハンバンクは、トルクメニスタンの農業金融を担う国家商業銀行である。「ダイハン」はトルクメン語で農民を意味する。綿花と小麦という国家発注作物の生産にかかる資金を供給し、生産者への支払いと決済を扱う銀行として、農業政策の実務を担ってきた。トルクメニスタン中央銀行が公表する信用機関の一覧では、国内に9つある信用機関の一つに数えられる。

Dayhanbank
公式サイト ↗

解説 · 2026年8月時点

ダイハンバンクは、トルクメニスタンの農業金融を担う国家商業銀行である。「ダイハン」はトルクメン語で農民を意味する。綿花と小麦という国家発注作物の生産にかかる資金を供給し、生産者への支払いと決済を扱う銀行として、農業政策の実務を担ってきた。トルクメニスタン中央銀行が公表する信用機関の一覧では、国内に9つある信用機関の一つに数えられる。

同国の農業は、耕作可能地の大部分がアムダリヤ川からの灌漑に依存し、綿花と小麦については国家が作付面積と買い上げ価格を決める仕組みが続いている。ダイハンバンクは、この制度の資金の流れが通る場所にあたる。2022年12月末の総資産は242億7,863万マナトで、そのうち229億3,052万マナトが顧客向け貸出である。

正式名Türkmenistanyň “Daýhanbank” döwlet täjirçilik banky(トルクメニスタン国家商業銀行「ダイハンバンク」)
設立1999年1月1日(1998年12月3日付大統領決定3970号による)。前身のダイハンバンクは1995年3月10日の大統領決定で旧アグロ産業銀行の組織を基盤に設立
本拠アシガバート市ビタラプ・トルクメニスタン大通り465
銀行コードBAB 390101409
所有国有(国家商業銀行)
事業農工複合体向けの金融、国家発注作物の生産者に対する融資と決済、個人・個人事業主向け業務
総資産242億7,863万マナト(2022年12月末)
純利益8,535万マナト(2022年通期)
自己資本8億6,287万マナト(2022年12月末)
監査法人ベーカー・ティリー・クリトゥー・アンド・パートナーズ(2022年度、報告書は2023年9月13日付)
関連会社トルクメン・トルコ株式商業銀行の株式50%を保有

沿革

同行は自行の沿革を、20世紀初頭の信用協同組合まで遡って説明している。当時のトルクメニスタンでは人口の8割から8割5分が農村に住み、農民の資金需要に応えるかたちで信用協同組合が生まれた。1909年に小口信用管理局が設立した信用・貯蓄組合には多くの農民が加入し、ザカスピ州の組合数は1910年の14から1914年には58へ増えた。1923年1月15日には中央アジア農業銀行のポルトラツク(現アシガバート)代理店が置かれ、1925年にはトルクメン代理店が短期間活動している。

1987年10月6日の銀行機構改組に関する決定1118号により、トルクメニスタンにもアグロ産業銀行(Agrosenagat banky)が設立され、農民組合と農工複合体の企業を対象に各州・各郡へ支店が開かれた。独立後の1995年3月10日、大統領決定により旧アグロ産業銀行の組織を基盤としてダイハンバンクが創設される。最初の任務は農民組合の職員に賃金を支払うことだった。

1996年12月の国家評議会で農業部門の経済改革の構想が示され、1997年からは国家発注作物(綿花・小麦)の生産者ごとに個別の勘定が開かれた。同行が作成した「農民の勘定帳(Daýhanyň hasap depderçesi)」が生産・財務計画と支出の記録に使われている。1998年12月3日の大統領決定3970号「トルクメニスタンの銀行制度を強化する措置について」に基づき、1999年1月1日にトルクメニスタン国家商業銀行「ダイハンバンク」が設立され、農工複合体に奉仕する国家商業銀行の地位が与えられた。

2004年10月29日の決定6919号による農業株式会社の設立と、同年12月24日の決定7024号「2005年の綿花生産について」により、綿花生産の資金は生産者ではなく農業株式会社と繊維工業省に対して供給される方式に変わり、借地農の生産費用の記帳はダイハンバンクが担うことになった。2008年からは「農民組合について」の法律に沿って、借地農の勘定は農民組合が新しい方式で管理している。

財務

同行が公表した2022年度の国際会計基準(IFRS)に基づく財務諸表によれば、2022年12月末の総資産は242億7,863万マナト(前年235億零473万マナト)、顧客向け貸出は229億3,052万マナト、自己資本は8億6,287万マナトである。負債の構成が特徴的で、顧客からの預金が22億489万マナトにとどまる一方、銀行・その他金融機関からの借入が211億7,840万マナトを占める。預金を集めて貸すのではなく、国の資金を農業へ流す導管として機能していることが数字に表れている。

損益では、2022年の受取利息が3億2,243万マナト、支払利息が1億4,292万マナト、純利息収入は1億6,403万マナトだった。手数料収入1億2,116万マナトを含む非利息収入は1億4,309万マナトで、営業費用1億6,191万マナトを差し引いた税引前利益は1億4,521万マナト、法人所得税5,985万マナトを引いた純利益は8,535万マナトである。監査はベーカー・ティリー・クリトゥー・アンド・パートナーズが担当し、報告書は2023年9月13日付で署名された。

公式サイトに掲載されている財務報告は2022年度が最新で、2026年8月時点でそれ以降の年度は公表されていない。

組織と関連会社

支店はアシガバート市とアルカダグ市のほか、アハル、バルカン、ダショグズ、マル、レバプの各州に置かれている。個人向けには「タラプ・エディリャンチャ(要求払い)」「ガダミ・ベイイク・ガフルマン」「ゴジャラ・ヘマヤト」「ガルクナン・ダイハン」などの預金商品と、「メレグシュ」の名称の送金サービス、貸金庫の賃貸を提供している。

同行は、トルクメニスタンで最初の外資参加銀行であるトルクメン・トルコ株式商業銀行の株式50%を保有する。同合弁銀行のトルクメニスタン側出資者はもともとアグロ産業銀行で、その地位をダイハンバンクが引き継いだ。合弁銀行の取締役会議長はダイハンバンクの頭取が務める。

参考資料

この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。

ダイハンバンクとは | Caspian Intelligence