解説 · 2026年8月時点
フリーダム銀行タジキスタン(CJSC Freedom Bank Tajikistan)は、カザフスタンのフリーダム銀行(フリーダム・ホールディング傘下)がタジキスタンに設けた100%子会社である。2024年10月15日に国立銀行から国内通貨・外貨での銀行業務免許を取得して市場に参入した。カザフスタンで築いたデジタル金融の仕組みをタジキスタンに移植することを狙いとしており、進出の準備段階からタジキスタンのITパーク開設を支援するとも表明していた。
参入から日が浅く、国立銀行の四半期系列に現れるのは2025年3月末が最初である。2026年6月末の総資産は2億5,126万ソモニ、貸出金は411万ソモニ、預金は1,244万ソモニで、営業基盤の構築は途上にある。
| 正式名 | CJSC "Freedom Bank Tajikistan"(ҶСП «Фридом Бонк Тоҷикистон») |
|---|---|
| 営業免許 | 2024年10月15日 |
| 本店 | タジキスタン・ドゥシャンベ市ルダキ通り81В |
| 事業 | 商業銀行業務。デジタル金融商品が中心 |
| 総資産 | 2億5,126万ソモニ(2026年6月末) |
| 純損益 | -2,520万ソモニ(2025年通期)/-2,122万ソモニ(2026年上期) |
| 自己資本 | 5,478万ソモニ(2026年6月末) |
| 授権資本 | 1億ソモニ(2025年12月31日時点) |
| 株主 | フリーダム銀行カザフスタン(JSC Freedom Bank Kazakhstan)100% |
| 拠点 | 支店1、ATM6台(2026年6月末) |
| 経営責任者 | 取締役会長 ダウレン・ニシンバエフ |
| 公式サイト | freedombank.tj |
参入の経緯
フリーダム銀行は2024年1月にタジキスタン市場への参入方針を表明した。同年4月12日にカザフスタンの金融市場規制発展庁(ARDFM)がタジキスタンでの閉鎖型株式会社の設立を承認し、10月15日にタジキスタン国立銀行が営業免許を交付した。
免許交付にあたり、国立銀行のフィルダヴス・トリブゾダ総裁と同行のダウレン・ニシンバエフ取締役会長(当時は職務代行)が、業務範囲の拡大、融資、全国各地への拠点開設、デジタルサービスの拡充について協議したと国立銀行は発表している。
親会社のフリーダム銀行カザフスタンは、カザフスタンの証券会社JSCフリーダム・ファイナンスが全額を保有し、その上にフリーダム・ホールディング(Freedom Holding Corp.)がある。2024年9月1日時点でカザフスタンの商業銀行21行中8位の規模だった。
業績
国立銀行の集計では、2025年通期は2,520万ソモニの純損失、2026年上期は2,122万ソモニの純損失だった。ROEはそれぞれ-33.7%、-77.5%。参入初期の投資が先行している状態である。
資金調達の構成にも初期段階の特徴が出ている。2026年6月末の負債1億9,648万ソモニのうち、国立銀行および他の金融機関からの調達が1億6,007万ソモニを占め、顧客預金は1,244万ソモニにすぎない。資産側は他金融機関への預け金1億8,045万ソモニが中心である。
拠点は支店1のみ、ATMは6台、POS端末は179台。カード発行枚数は2026年3月末の1,425枚から6月末の5,266枚へ増えている。
参考資料
- 銀行一覧(Banks)— タジキスタン国立銀行 ↗
- 適格保有株主一覧(2025年12月31日時点)— タジキスタン国立銀行 ↗
- 銀行の財務指標(四半期系列のExcel)— タジキスタン国立銀行 ↗
- 「Freedom Bank Kazakhstan enters Tajikistan market after acquiring license from local financial regulator」— Asia-Plus(2024年10月18日) ↗
この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。