解説 · 2026年8月時点
フルハウス(LLC Full House)は、ジョージアの賭博事業者である。クロコベット(Crocobet)のブランドでスポーツブックとオンラインカジノを運営する。Forbes Georgiaの2021年決算に基づく企業番付では、売上高1億6,301万9,000ラリで66位に入っている。
賭博はジョージア経済のなかで無視できない規模を持つ産業である。同じ番付には、マルス(クリスタルベット、21位)、デイドリーム・ユニバーサル・ジョージア(ベットライブ、41位)、チャンピオンズ111(ヨーロッパベット、85位)、リーダーベット・スロット(97位)など複数の賭博会社が並ぶ。周辺国が規制を強めるなかでジョージアが比較的早く許可制を整えたこと、IT人材と外国語話者を確保しやすいことが、この産業が集まった背景にある。
| 正式名 | შპს ფულ ჰაუსი(LLC Full House) |
|---|---|
| 企業登記番号 | 405143303 |
| 登記 | 2016年3月31日 |
| 本拠 | ジョージア |
| 事業 | 賭博の運営。ブランド名はクロコベット(Crocobet) |
| 登記上の活動分類 | 芸術・娯楽・レクリエーション |
| 売上高 | 1億6,301万9,000ラリ(2021年通期、Forbes Georgiaの企業番付で66位) |
| 代表者 | ギア・ドゥンバゼ(企業登記、2026年8月時点) |
| 監査役会 | グラム・ドリゼ、テムル・ミケラゼ、ノルベルト・フランツ・トイフェルベルガー(オーストリア) |
法人と経営陣
法人としての登記は2016年3月31日、企業登記番号は405143303、法人形態は有限責任会社(შპს)で、登記上の活動分類は「芸術・娯楽・レクリエーション」である。登記上の代表者はギア・ドゥンバゼ(2026年8月時点)。
監査役会にはグラム・ドリゼ、テムル・ミケラゼのほか、オーストリア国籍のノルベルト・フランツ・トイフェルベルガーが登録されている。欧州のオンライン賭博大手bwinを1999年に共同創業し、bwin.party時代に共同最高経営責任者を務めた同名の人物が知られているが、企業登記の記載だけでは同一人物かどうかは確認できない。
同社は非上場で、直近の売上高、利益、従業員数、賭け金総額といった数字は公開資料からは確認できない。
ジョージアの賭博制度
ジョージアでは、賭博は「くじ、賭博およびその他の賞金付きゲームの組織化に関する法律」で規律され、許可の交付と監督は財務省の歳入庁が担う。カジノ、totalizator(ブックメーカー)、スロットサロンなど業態ごとに許可が要る。
2022年から2023年にかけて、規制が段階的に強化された。オンラインで行う賭博を「システム電子形式による賭博の組織化」として別に定義し、インターネット、電話、専用の電子プラットフォームを通じたゲームを対象に含めた。オンラインのカジノ、ブックメーカー、スロットサロンについては、実店舗の許可とは別の許可を要することとし、1つの許可でカバーできるのは固有ドメインを持つ1サイトに限るとした。実店舗の営業所に、オンラインのゲームへ参加するための端末を置くことも禁じられた。
同時に、賭博に参加できない者の範囲が広げられた。25歳未満、社会的弱者として登録された者、公務員、裁判所の決定または本人の申請で登録された者が対象となり、歳入庁がその名簿を管理する。賭博の広告も全国の媒体で禁止された。これらの改正は、欧州理事会がジョージアに示したEU加盟候補国の要件のうち、組織犯罪対策の強化に関わる項目への対応という位置づけで進められた。
位置づけ
許可制の整備と規制の強化は、この産業を国外の市場に向けたサービス輸出として制度化する方向にも働いた。ジョージアの賭博会社の収益は、国内の利用者と国外の利用者の双方から得られるが、その内訳は各社とも公表していない。
規制の強化は業界の収益構造を変える。参加できる年齢層が狭まり、広告が使えなくなれば、新規の顧客獲得の手段が限られる。既に一定の顧客基盤を持つ大手にとっては参入障壁が上がる一方、賭博税の負担は重くなった。フルハウスのような中堅上位の事業者は、この二つの力の間に置かれている。
参考資料
- შპს ფულ ჰაუსი — 企業プロフィール(SARAS 報告ポータル) ↗
- Georgia Introduces Amendments to Gambling Law to Regulate Online Gaming — Andersen in Georgia(2025年4月3日) ↗
- The 100 Largest Georgian Companies by Revenue — Forbes Georgia(2021年決算に基づく、2024年1月9日) ↗
この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。