解説 · 2026年8月時点
ガラボガズカルバミド(Garabogazkarbamid)は、トルクメニスタン最大のアンモニア・尿素工場である。カスピ海のカラボガズゴル湾に面したガラボガズ市に立地し、天然ガスを原料に尿素を年115万5,000トン生産する。日本の三菱商事とトルコのGAPインシャートが建設したもので、日本企業が関わった中央アジアの産業プロジェクトとしては最大級にあたる。
| 正式名 | Garabogazkarbamid plant(ガラボガズカルバミド工場) |
|---|---|
| 所在地 | トルクメニスタン・バルカン州ガラボガズ市(カスピ海岸) |
| 位置づけ | トルクメンヒミヤ国家コンツェルンの傘下 |
| 稼働 | 2018年6月に完成・稼働、同年9月に開所式 |
| 生産能力 | 尿素 年産115万5,000トン。アンモニア日産2,000トン、尿素日産3,500トン |
| 建設 | 三菱商事(日本)とGAPインシャート(トルコ)の企業連合によるターンキー契約。事業費13億5,000万ドル(GAPインシャートの公表値) |
| 雇用 | 1,000人超(開所時) |
| 製品の行き先 | 大半を輸出 |
建設の経緯
2014年8月16日の大統領令第13811号に基づき、トルクメンヒミヤ国家コンツェルンが三菱商事とGAPインシャートの企業連合とターンキー契約を結んだ。工場は2018年6月に完成して稼働し、同年9月に開所式が行われた。GAPインシャートによれば事業費は13億5,000万ドルである。
技術は分野ごとにライセンサーが分かれる。アンモニア合成はデンマークのハルドール・トプソー、尿素合成はイタリアのサイペム、尿素の造粒はオランダのウーデ・ファーティライザー・テクノロジーズ、二酸化炭素の精製は米国のUOPの技術が採用された。工程管理の自動化は日本、米国、ドイツの計装メーカーが担っている。
海に面した肥料工場
生産能力はアンモニアが日産2,000トン、これを原料とする尿素が日産3,500トンで、年産では115万5,000トンにあたる。製造される尿素の窒素含有量は46.2%で、窒素肥料としては最高水準にある。
工場には発電用のガスタービン発電機と海水淡水化・処理設備が併設されている。砂漠の海岸という立地条件から、電力も工業用水も自前で用意する必要があるためである。製品は3メートル幅のコンベヤーで岸壁まで運ばれ、近代化されたガラボガズ港から海路・河川路で輸出される。岸壁は2隻を同時に扱うことができ、ドイツのFAM製の設備と80トン級のリープヘル製ローダー2基が据えられている。
同工場の生産は基本的に輸出向けである。トルクメニスタンにとって、天然ガスをそのまま売るのではなく、肥料という形で付加価値をつけて外貨を得る手段として位置づけられている。
参考資料
- Garabogazkarbamid plant – environmentally friendly production — トルクメニスタン政府ポータル ↗
- Garabogaz Ammonia and Urea Production — GAP İnşaat(施工者の公式サイト) ↗
- «Türkmenhimiýa» döwlet konserni(公式サイト) ↗
この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。