解説 · 2026年8月時点
ガスプロム・アルメニア(Gazprom Armenia)は、ロシアのガスプロムが全額出資するアルメニアの天然ガス会社である。ロシア産ガスをアルメニア国内消費向けに供給する唯一の事業者であり、ガス輸送網の運営者でもある。発電の主要燃料と家庭の暖房をこの一社が握るため、アルメニアのエネルギー安全保障とロシアとの関係を語るうえで欠かせない企業である。
| 正式名 | Gazprom Armenia CJSC |
|---|---|
| 旧称 | アルムロスガスプロム。2014年に現社名へ |
| 株主 | ロシアのPJSCガスプロムが100% |
| 事業 | ロシア産天然ガスのアルメニア向け独占供給、ガス輸送網の運営、配給 |
| 輸送経路 | ジョージア領を経由してロシアから供給 |
| 国境価格 | 1,000立方メートルあたり165ドル(2025年12月時点) |
| 投資計画 | 2025〜2029年に1,430億4,567万ドラム(PSRC認可額、VAT除く) |
| 納税額 | 315億ドラム(2026年1〜6月、国内4位) |
位置づけ
アルメニアにロシア産ガスを供給する唯一の事業者であり、ガス輸送システムの運営者でもある。ガスはジョージア領を通過してアルメニアへ入る。アゼルバイジャンとトルコとの国境が閉ざされてきたアルメニアにとって、この一本の経路と一社への依存は、長く指摘されてきた構造的な脆弱性である。
2014年、ガスプロムが同社の単独株主となり、旧称のアルムロスガスプロムからガスプロム・アルメニアへ改称した。ロシア側が資本を通じて供給と流通の双方を押さえる体制が、この時点で完成している。
料金と投資
ロシア産ガスのアルメニア国境価格は1,000立方メートルあたり165ドルである(2025年12月時点)。この水準は近隣の輸入国と比べて低く抑えられており、価格の設定自体が両国関係の一部を成す。
2025年12月26日、公共サービス規制委員会(PSRC)は同社の2025〜2029年の投資計画を認可した。申請額の1,440億2,751万ドラムから9億8,184万ドラムを減額し、1,430億4,567万ドラム(VAT除く)とした。主な使途はアボヴィアン地下ガス貯蔵施設の拡張、ガス輸送システムの復旧と再建、新規契約者の接続、配給網に関するその他の工事である。
納税額
国家歳入委員会の大口納税者リストでは、2026年1〜6月に315億ドラムを納めて国内4位に入った。2025年通期では432億4,000万ドラムで4位、2026年第1四半期には198億ドラムで2位につけている。ガス料金という形で家計と企業から集めた資金の一部が税として国庫に戻る構造であり、同社の納税額はエネルギー消費の水準をそのまま映す。
参考資料
- 「Gazprom-Armenia」to invest about 143 billion drams in 2025-2029 — ARKA(2025年12月26日) ↗
- ZCMC Reclaims Top Taxpayer Position as Gaming Sector Continues to Grow — MassisPost(2026年7月) ↗
- First Quarter 2026: Mobile Centre Was Largest Taxpayer in Armenia — Hetq ↗
この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。