解説 · 2026年8月時点
ジョージアン・ビバレッジ(JSC Georgian Beverages)は、ジョージア・キャピタルの飲料事業をまとめる持株会社である。ビールとレモネードの製造・流通を担うグローバル・ビア・ジョージアと、ワインのテリアーニ・ヴァレーという二つの柱を持っていた。
この会社を読むうえで重要なのは、2024年12月にビール・流通事業の80%がオランダのビール大手ロイヤル・スウィンケルズへ売却されたことである。ジョージア・キャピタルはビール事業の少数持分(実質18.5%)だけを残し、ワイン事業は引き続き100%保有している。Forbes Georgiaのランキングが載せる2021年の売上高はこの分離より前の数字であり、現在の姿とは対応しない。
| 正式名 | JSC Georgian Beverages(სს ჯორჯიან ბევერიჯიზ) |
|---|---|
| 登記 | 2018年6月7日 |
| 位置づけ | ロンドン証券取引所上場のジョージア・キャピタル(Georgia Capital PLC)の飲料部門 |
| 構成 | ビール・飲料の製造と流通(グローバル・ビア・ジョージアほか)、ワイン(テリアーニ・ヴァレー) |
| ビール事業の売却 | 2024年12月23日完了。ビール・流通事業の80%をオランダのロイヤル・スウィンケルズへ譲渡、純受取額は約6,300万ドル |
| 売却後の持分 | オランダの新持株会社をロイヤル・スウィンケルズが80%、ジョージア・キャピタルと共同投資家が20%(同社の実質持分18.5%) |
| ビールの市場シェア | 約22.4%(2024年、ジョージア・キャピタル開示) |
| ワイン事業 | テリアーニ・ヴァレー。2024年の販売1,120万本、うち約84%が輸出。ジョージアのワイン輸出市場でシェア7.6% |
| ワイン事業の業績 | 純収益6,140万ラリ、EBITDA720万ラリ(2025年通期) |
| 売上高 | 1億6,666万8,000ラリ(2021年通期、Forbes Georgiaのランキングによる) |
ビール事業
ビール事業はグローバル・ビア・ジョージア(ムツヘタ地区ツィルカニ)が担い、ビールとレモネードを製造する。2019年にハイネケンから10年の独占ライセンスを得てジョージア国内での生産・販売を始め、同年8月に商業出荷が始まった。同じ2019年にアムステルとクルショヴィツェのライセンスも取得し、自社の軽ビール「カヤキ」を投入した。
ブランドの構成は、ハイネケン、2018年に取得したクラフトビールのブラック・ライオン、主力の一般向けブランドICY、2019年に取得したカズベギ、ライセンス生産のアムステルとクルショヴィツェである。ジョージア・キャピタルの2024年次報告書によれば、2024年のビール市場シェアは約22.4%だった。
ワイン事業(テリアーニ・ヴァレー)
ワイン事業はJSCテリアーニ・ヴァレーが担う。ジョージアの代表的な赤ワイン用品種サペラヴィを栽培し、ウクライナ(テリアーニ・トレーディング)とドイツ(テリアーニ・ヨーロッパGmbH)に販売子会社を置く。
2024年の販売は1,120万本で、そのうち約84%が輸出だった。ジョージアのワイン輸出市場でのシェアは7.6%とされる。2025年通期の純収益は6,140万ラリ(8.4%増)、EBITDAは720万ラリ(44.0%増)である。
2024年のビール事業売却
2024年10月、ジョージア・キャピタルはロイヤル・スウィンケルズN.V.の子会社との間で、ビール・流通事業の売却契約を結んだ。取引はオランダに設けた新しい持株会社を通じて行われ、ロイヤル・スウィンケルズが80%、ジョージア・キャピタルと少数の共同投資家が20%を持つ形になった。ジョージア・キャピタルの実質持分は18.5%である。
取引は2024年12月23日に完了し、純受取額は約6,300万ドルだった。残る20%については、2028年、2029年、2030年の各年度の監査済み連結財務諸表が株主総会で承認された後の12か月間に、あらかじめ合意したEV/EBITDA倍率で行使できるプット・オプションが設定されている。
この売却により、ジョージア・キャピタルの飲料部門は実質的にワイン事業が中心となった。同社の四半期開示では、ビール・流通事業は「持分20%の少数投資」として扱われ、他の非公開ポートフォリオ企業の業績集計からは外されている。
参考資料
- Georgia Capital PLC 4Q25 and FY25 Results(2026年3月) ↗
- Georgia Capital PLC Annual Report 2024 ↗
- სს ჯორჯიან ბევერიჯიზ(企業登記・グループ構造、reportal.ge) ↗
- The 100 Largest Georgian Companies by Revenue — Forbes Georgia(2021年決算に基づく) ↗
この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。