解説 · 2026年8月時点
ジョージア石油ガス公社(GOGC)は、ジョージアの国営エネルギー会社である。産油国ではないこの国で「国営石油会社」の地位を持つのは、自国で石油を掘るためではなく、外国投資家との生産物分与契約で国が得る取り分を管理し、領内を通るパイプラインの安定運用を担保するためである。加えて幹線ガス管網を保有し、大型火力発電所2基を運営しており、ジョージアのエネルギー安全保障の中心に位置する。
| 正式名 | JSC Georgian Oil and Gas Corporation(GOGC) |
|---|---|
| 設立 | 2006年3月21日 |
| 本社 | ジョージア・トビリシ |
| 株主 | パートナーシップ基金(ジョージア国有)。経営はジョージア経済持続的発展省が所管 |
| 性格 | ジョージアの国営石油会社(ナショナル・オイル・カンパニー) |
| 事業 | 生産物分与契約(PSA)に基づく国の取り分の管理と販売、幹線ガス管網の保有、火力発電 |
| 主な子会社 | ガルダバニ火力発電所(230MW)、ガルダバニ第2火力発電所(230MW)、ガス輸送網保有会社(TNO)、GOGCトレーディング(ジュネーブ) |
| 資本市場 | ロンドン証券取引所に債券を上場。ガルダバニ第1発電所は2012年発行の2億5,000万ドル債で調達 |
成り立ち
2006年3月21日、国有の3社(ジョージア国際石油公社、ジョージア国際ガス公社、サクナフトビ〈ジョージア石油〉)を統合して、100%国有の企業として設立された。2011年に有限責任会社から株式会社へ組織変更している。株式はパートナーシップ基金が保有し、経営は経済持続的発展省が所管する。
主要な業務は3つある。生産物分与契約で国が受け取る石油・天然ガスの管理と、その加工・貯蔵・輸送・販売。領内の幹線石油・ガス管の運用と更新、新規建設。そしてカスピ海産をはじめとする石油・ガスの通過輸送に関わる事業である。2011年時点で同国の幹線ガス管は北コーカサス〜ザカフカス線、東西幹線ガス管など9本で構成されていた。
発電への進出
2012年、ロンドン証券取引所でユーロ債を発行して資金を調達し、ガルダバニに230MWのコンバインドサイクル火力発電所を建設した。運営会社ガルダバニ火力発電所LLCはGOGCが51%、パートナーシップ基金が49%を出資して設立され、2015年7月に運転を開始した。
第1発電所が順調だったことから、2016年にGOGCの100%子会社ガルダバニ第2LLCを設立し、同じ230MWの第2発電所を建設した。施工は中国の中国天辰工程が担い、2019年12月に完成、2020年3月に発電免許を得て稼働を始めた。水力に大きく依存するジョージアの電力系統にとって、渇水期と冬季を支える火力の存在は大きい。
ガス市場の自由化と分離
EUとの連合協定(2014年)に基づくガス市場自由化改革のなかで、2021年4月29日に完全子会社「ジョージア天然ガス輸送網保有会社(TNO)」を設立した。同年5月に幹線ガス管網と関連設備をTNOへ移し、ガスの取引と、管網の保有・運用とを切り離した。EU指令が求めるアンバンドリング(機能分離)に沿った措置である。
このほか2017年8月にはスイス・ジュネーブに原油・石油製品のトレーディング子会社GOGCトレーディングを設立している。事業パートナーにはSOCAR、シャフデニズ・コンソーシアム、BP、トルコのボタシュ、ルーマニアのロムガス、ハンガリーのMVMなどが並び、ADBやEBRD、KfWといった国際金融機関とも取引がある。
参考資料
- About Company — Georgian Oil & Gas Corporation(公式サイト) ↗
- Subsidiary Companies — Georgian Oil & Gas Corporation ↗
- Gardabani Combined-Cycle Thermal Power Plant, Georgia — Power Technology ↗
この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。