解説 · 2026年8月時点
グッドウィル(JSC Goodwill)は、ジョージアの食品小売チェーンである。自社を「ジョージア初のハイパーマーケット網」と位置づけ、トビリシとバトゥミを中心に大型店を展開する。Forbes Georgiaが2021年決算をもとに作成した企業番付では、売上高1億4,486万3,000ラリで79位に入った。
ジョージアの食品小売はニコラ、カルフール(マジッド・アル・フッタイム・ジョージアが運営)、スパー、フレッシュコといった多店舗チェーンがひしめく分野で、店舗数だけを見ればグッドウィルは大手ではない。同社の特徴は店舗数ではなく1店あたりの規模と品揃えにあり、輸入食材と自社製造の総菜・食肉加工品・菓子を前面に出した高価格帯の売り場をつくっている点にある。
| 正式名 | სს გუდვილი(JSC Goodwill) |
|---|---|
| 企業登記番号 | 206343991 |
| 登記 | 2009年9月3日 |
| 本拠 | トビリシ(ファルナヴァズ・メペ大通り1番) |
| 事業 | ハイパーマーケット・スーパーマーケットの運営、食品・非食品の輸入、自社工房での総菜・食肉加工品・製菓の製造、法人向け卸とケータリング |
| 売上高 | 1億4,486万3,000ラリ(2021年通期、Forbes Georgiaの企業番付で79位) |
| 代表者 | ギオルギ・ハバシヴィリ(総支配人、企業登記、2026年8月時点) |
| 監査役会 | ギオルギ・シェヴァルドナゼ、ダヴィト・グルンチャゼ、イリネ・コサシヴィリ(企業登記、2026年8月時点) |
| 所有 | イリネ・コサシヴィリが95%(Forbes Georgia、2026年3月) |
| 店舗 | トビリシ7、バトゥミ3、サグラモ1の計11(公式サイト、2026年8月時点) |
法人と所有
現在の法人は株式会社(სს)として2009年9月3日に登記され、企業登記番号は206343991である。登記上の活動分類は製造業、卸売・小売、不動産関連に及び、代表者は総支配人のギオルギ・ハバシヴィリ(2026年8月時点)。監査役会にはギオルギ・シェヴァルドナゼ、ダヴィト・グルンチャゼ、イリネ・コサシヴィリの3人が登録されている。
Forbes Georgiaが2026年3月に公表した「ジョージアの富豪100人」では、監査役会にも名を連ねるイリネ・コサシヴィリがグッドウィルの株式95%を保有するとされ、同誌は彼女の資産を8,060万ラリと算定して99位に置いた。同族色の強い所有構造で、株式は上場していない。
事業
本業は食品を中心とする小売である。同社の説明によれば、ドイツ、オランダ、イタリア、フランス、ブルガリア、ウクライナから食品・非食品を輸入する国内有数の輸入業者でもあり、輸入品の直接調達が品揃えの中核をなす。
小売のほかに、300社を超える法人顧客への納入と、ケータリング・宴会サービスを手がける。自社工房で総菜、食肉加工品、製菓を製造し、これを店頭の目玉に据えている点が同業他社との違いとして挙げられる。ブランドの位置づけとしては「食品小売のプレミアム」を標榜し、高品質の商品と店内環境に対して高い価格を払う層を主な顧客と想定している。
店舗網
2026年8月時点の公式サイトに掲載された店舗は、トビリシ7店(ファルナヴァズ・メペ大通り1番、カヴタラゼ通り1番=シティ・モール、チャヴチャヴァゼ大通り34番、ルスタヴェリ大通り2/4番=ガレリア・トビリシ、ウニヴェルシテティ通り2番、ドリゼ通り46番、クルツァニシ第2小路17番)、ムツヘタ地区サグラモ1店、バトゥミ3店(ゴルギラゼ通り88番=バトゥミ・モール、レジェブ・ニジャラゼ通り18番、シェリフ・ヒムシアシヴィリ通り61番)の計11か所である。
このうちファルナヴァズ・メペ大通り、カヴタラゼ通り、チャヴチャヴァゼ大通り、バトゥミ・モールの4店は24時間営業で、残りは午前9時から10時に開き、夜9時45分から10時に閉まる。ショッピングモールの核テナントとして入る店が多いのが特徴で、単独の郊外型大型店を並べる形ではない。
同社は法人向けの取引も収益の一部としており、300社を超える法人顧客を持つとしている。小売店が法人納入とケータリングを併営するのは、外食・ホテル向けの業務用食材を輸入の同じ経路に乗せられるためで、輸入を自社で行う小売にはよくある形である。
ジョージアの食品小売のなかで
ジョージアの食品小売は2010年代に急速に組織化が進んだ分野である。Forbes Georgiaは2025年の集計でニコラを国内最大の食料品チェーンかつ売上高で国内4位の企業としており、同社はリブレ、ヌゲシといった屋号も傘下に収める。このほか、カルフールのフランチャイズを持つマジッド・アル・フッタイム・ジョージア、オランダ発祥の屋号を使うスパー・ジョージア、地場のフレッシュコやオリなどが競合する。
そのなかでグッドウィルは、店舗数で規模を追うのではなく、1店あたりの売り場を大きくとって輸入品と自社製造品を厚く並べる方向をとってきた。2021年決算に基づく番付では前年より21順位を下げており、店舗数を増やす競合との差が売上高の伸びに表れている。
公開されていない情報
同社は非上場で、2021年以降の売上高と損益、従業員数、店舗別の売上構成、輸入と自社製造の比率はいずれも公表資料からは確認できない。ジョージアの食品小売市場における企業別シェアも公式には集計されていない。
参考資料
- About Us — Goodwill(公式サイト) ↗
- სს გუდვილი — 企業プロフィール(ジョージア会計・報告・監査監督局の報告ポータル) ↗
- The 100 Largest Georgian Companies by Revenue — Forbes Georgia(2021年決算に基づく、2024年1月) ↗
- Georgia's 100 Richest Entrepreneurs — Forbes Georgia(2026年3月25日) ↗
この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。