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IDバンク

IDバンク(ID Bank)は、アルメニアの商業銀行である。1990年に設立されたアネリク銀行を前身とし、2018年6月に現在の名称へ改称した。総資産では国内17行のうち9位(2025年6月末)で、規模としては中堅だが、電子ウォレットのイドラム(Idram)と組んだ決済・銀行一体のサービスで知られる。

ID Bank
公式サイト ↗

解説 · 2026年8月時点

IDバンク(ID Bank)は、アルメニアの商業銀行である。1990年に設立されたアネリク銀行を前身とし、2018年6月に現在の名称へ改称した。総資産では国内17行のうち9位(2025年6月末)で、規模としては中堅だが、電子ウォレットのイドラム(Idram)と組んだ決済・銀行一体のサービスで知られる。

アルメニアの銀行市場は、上位のアメリアバンク、アルドシンバンク、アクバ銀行、アミオ・バンク、イネコバンクが資産の6割超を占める構造にあり、その下で中堅行がデジタル化と特定分野に特化して競争している。IDバンクはその代表格にあたる。

正式名«ID Bank» CJSC(Այ Դի Բանկ ՓԲԸ)。2018年6月3日まではアネリク銀行(Anelik Bank)
設立1990年(アネリク銀行として)
本店アルメニア・エレバン(ヴァルダナンツ通り13)
事業商業銀行業務(個人・法人向け貸出、預金、カード、決済)
総資産4,760億ドラム(2025年6月末、アルメニアの銀行17行中9位)
貸出2,266億ドラム、預金2,351億ドラム(2025年6月末)
自己資本770億ドラム、登録資本339億ドラム(2025年6月末)
純利益158億ドラム(2024年通期)、95億ドラム(2025年上半期)
株主ID Group(イドラムとIDバンクの株主が2023年に設立した持株会社)

沿革

前身のアネリク銀行は1990年に設立された。行名は、ロシアとアルメニアの間の個人送金で広く使われた送金システム「アネリク」に由来し、同行は在外アルメニア人からの送金の受け皿として存在感を持っていた。SWIFTコードが現在もANIKAM22であることに、その名残がある。

2018年5月31日、同行は改称と全面的なブランド刷新を発表し、6月4日からIDバンクとして営業を始めた。当時の株主はFISTOCO LTDが59.7%、レバノンのCreditBank S.A.L.が40.3%を保有していた。改称の発表で株主のヴァルダン・ディラニャンは、新株主の参加を機に「技術志向の革新的な銀行」への転換を進めると説明している。

2023年、電子ウォレットのイドラムとIDバンクの株主が共同で持株会社ID Groupを設立し、両社が同じ傘の下に入った。ID Groupは現在、決済のイドラム、銀行のIDバンクに加えて、チケット販売のTomsarkgh.am、リース業のID Leasingを傘下に持つ。グループはイドラムとIDバンクを合わせた利用者を50万人超と説明している。

規模と業績

KPMGアルメニアが四半期ごとにまとめる銀行部門調査によれば、2025年6月末の総資産は4,760億ドラムで、業界17行中9位、シェアは4.1%だった。貸出残高は2,266億ドラム(11位)、預金は2,351億ドラム(10位)、自己資本は770億ドラム(9位)である。

収益力は資産規模より上位にある。2025年上半期の税引後純利益は95億7,300万ドラムで業界6位、通期の2024年は157億9,900万ドラムだった。総資産に対する貸出の比率は47.6%で、業界平均(59.6%)より低い。決済業務からの手数料収入の比重が高く、2025年上半期は総収入333億ドラムのうち非金利収入が74億ドラムを占めた。ROEは23.1%である。

決済との一体運営

同行の特徴は、電子ウォレットのイドラムとの結合にある。イドラムはアルメニアで最も普及した決済サービスの一つで、公共料金、通信、オンライン購入の支払いに使われる。ID Groupの下で銀行口座とウォレットを一つのアプリで扱う設計を進めており、預金・貸出の伸びよりも先に決済の利用者基盤を広げる形で成長してきた。

非金利収入の大きさは、この構造の裏返しでもある。金利の変動に左右されにくい収益源を持つ一方、決済市場での競争が業績に直結する。アルメニアでは近年、外国からの資金流入と人口流入で銀行の資産が急拡大しており、こうしたデジタル志向の中堅行にとっては追い風の局面が続いている。

参考資料

この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。

IDバンクとは | Caspian Intelligence