ORGANIZATION · COMPANY

IMVBAM(ワイルドベリーズ・アルメニア)

IMVBAM(IMVBAM LLC)は、ロシア発の電子商取引プラットフォーム「ワイルドベリーズ」のアルメニアにおける事業会社である。アルメニア国家歳入委員会(SRC)が公表した2026年上半期の大口納税者順位では、139億ドラムを納めて第10位に入った。上位はザンゲズル銅モリブデン・コンビナート、携帯電話の輸入・再輸出を手がけるモバイル・センター・アート、アルドシンバンクといった鉱業・貿易・銀行の各社が占めており、電子商取引の会社が上位10社に入るのはアルメニアでは新しい現象である。

IMVBAM

解説 · 2026年8月時点

IMVBAM(IMVBAM LLC)は、ロシア発の電子商取引プラットフォーム「ワイルドベリーズ」のアルメニアにおける事業会社である。アルメニア国家歳入委員会(SRC)が公表した2026年上半期の大口納税者順位では、139億ドラムを納めて第10位に入った。上位はザンゲズル銅モリブデン・コンビナート、携帯電話の輸入・再輸出を手がけるモバイル・センター・アート、アルドシンバンクといった鉱業・貿易・銀行の各社が占めており、電子商取引の会社が上位10社に入るのはアルメニアでは新しい現象である。

アルメニアは人口300万人規模の内陸国で、小売の近代化は遅れていた。そこへロシア語圏の巨大マーケットプレイスが入り込み、受取拠点網と越境物流を一気に整えたことで、消費と、国内事業者の販路の両方が短期間で変わった。IMVBAMの納税規模は、その変化の大きさを映している。

正式名IMVBAM LLC
ブランドWildberries(ワイルドベリーズ)
本拠アルメニア・エレバン
事業マーケットプレイス型の電子商取引プラットフォームのアルメニア事業、集配拠点・受取拠点網の運営
納税額139億ドラム(2026年上半期)。国家歳入委員会の大口納税者で第10位
位置づけロシア発の電子商取引プラットフォーム、ワイルドベリーズのアルメニア事業会社

アルメニアへの進出

ワイルドベリーズは2022年5月、エレバンに物流拠点を設けてアルメニアでの「マーケットプレイス」モデルを開始した。出品者が受注後に自社倉庫から商品をエレバンの倉庫へ持ち込み、同社の物流部門が購入者へ配送する仕組みで、当初は国内向けの販売に限られていた。同社は将来的にロシアを含む他国へ販売地域を広げる方針を示していた。

2023年7月、創業者のタチアナ・バカルチュク氏がエレバンを訪れ、アルメニアに物流センターを建設する計画を明らかにした。同氏はこのとき、アルメニアでは6〜7人に1人が同プラットフォームを利用しており、売上高が前年の4倍になったと述べている。2023年5月末時点で自社および提携の受取拠点は271か所、アルメニアからの登録事業者は約2,000社(うち実際に出品しているのは約300社)だった。あわせて、地方の集落まで網を広げるため、郵便事業者ハイポストとの連携を強める考えも示された。

納税額と法人の再編

2026年上半期の大口納税者データでは、「ワイルドベリーズ」名義の法人の納税額が前年同期比で9割近く減って8億3,200万ドラムとなった一方、IMVBAMの納税額は164%増えて139億ドラムに達した。両社を合算するとアルメニアにおける同プラットフォームの納税額は減っておらず、およそ14億ドラム増えている。事業が縮んだのではなく、納税の主体が入れ替わった形である。

IMVBAM自身の売上高・利益・従業員数は公表されていない。アルメニアでは非上場の有限会社に財務諸表の公開義務がないため、規模を知る手がかりは国家歳入委員会が四半期ごとに公表する大口納税者リストに限られる。

アルメニア経済との関係

アルメニアの電子商取引は、ロシア語が広く通じること、ユーラシア経済連合(EAEU)の域内でロシアとの間に関税障壁がないことを背景に、ロシア系プラットフォームの延長として発達した面が強い。国内の小規模生産者にとっては、菓子・衣料・靴といった商品を国外の消費者へ届ける経路が生まれた一方、流通の主要部分が域外資本のプラットフォームに握られる形にもなっている。

通関手続きや商品の取り扱いをめぐって、アルメニアの出品者と運営側との間で摩擦が報じられたこともある。プラットフォームの規模が国内小売の構造を左右する段階に入っているため、同社の動向は消費者物価や小規模事業者の販路と直結する。

参考資料

この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。

IMVBAM(ワイルドベリーズ・アルメニア)とは | Caspian Intelligence