解説 · 2026年8月時点
イポテカ銀行(Ipoteka Bank OTP Group)は、ウズベキスタンの銀行民営化で最初に外国資本へ売却された銀行である。2023年6月、ハンガリーのOTP銀行が経済財務省の保有株を取得して支配株主となった。個人向け融資では国内最大の残高を持ち、非国有銀行としてはカピタルバンクに次ぐ規模である。中央ヨーロッパの銀行グループが中央アジアへ進出した最初の例として、この地域の銀行改革の試金石とみなされている。
| 正式名 | JSCMB Ipoteka Bank(Ipoteka Bank OTP Group) |
|---|---|
| 本社 | ウズベキスタン・タシケント |
| 事業 | 商業銀行業務。住宅ローン、個人ローン、中小企業金融 |
| 総資産 | 56兆7,000億スム(2026年7月1日)。非国有銀行では第2位 |
| 個人向け融資 | 29兆5,000億スム(2026年7月1日、国内首位) |
| 純利益 | 1億4,500万ドル(2024年) |
| 店舗・従業員 | 90を超える支店・サービス拠点、従業員4,300人超 |
| 株主 | OTP銀行(ハンガリー)が73.71%(2023年時点) |
| 上場 | 共和国証券取引所「トシケント」に上場(ティッカーIPTB、2003年11月上場) |
民営化の経緯
OTP銀行は2020年末からウズベキスタン政府と交渉を続け、2021年9月に合意したが、2022年4月にいったん取引を棚上げした。2022年12月にタシケントで株式売買契約を結び直し、2023年6月13日に第1段階として経済財務省保有株の75%を取得した。残る25%は3年以内に取得する取り決めである。子会社の金融リース会社イポテカ・リージングと保険会社イムコンスグルタも取引に含まれた。
外国銀行がウズベキスタンの銀行民営化に参加した初の事例であり、当時のクドビエフ経済財務相は競争の強化と企業統治・サービス品質の改善につながると述べた。2026年6月には国際金融公社(IFC)が既存の融資を出資に転換し、株主として加わっている。
事業の現状
2026年7月1日時点の総資産は56兆7,000億スムで、非国有銀行ではカピタルバンクに次ぐ。個人向け融資残高は29兆5,000億スムと国内最大で、住宅ローンを軸としたリテール色の強い構成になっている。2024年の純利益は1億4,500万ドル、支店・サービス拠点は90超、従業員は4,300人を上回る。
OTPグループはハンガリーを本拠に中東欧・南東欧で銀行を運営しており、ウズベキスタン参入によって中央アジアへ足場を広げた。同グループの経験がウズベキスタンのリテール金融にどう移植されるかは、後続の民営化案件の評価にも影響する。
参考資料
- Transaction closed: OTP Bank entered the Central Asian region by acquiring Uzbekistan's Ipoteka Bank — OTP Group(2023年6月13日) ↗
- Ipoteka bank OTP Group(公式サイト) ↗
- Uzbekistan Banking Assets Exceed 1 Quadrillion Soums — UzDaily ↗
この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。