解説 · 2026年8月時点
カイナル-AKB(Кайнар-АКБ)は、カザフスタン東部タルディコルガンにある鉛蓄電池メーカーである。1970年代に建てられたタルディコルガン鉛蓄電池工場を引き継いだ企業で、ソ連時代に同国内に8か所あった蓄電池工場の一つを起源とする。現在は年間300万個を超える生産能力を持ち、自動車用を中心に50種類以上の電池を作る。
売上の61.1%(2024年)が輸出で、ロシア、キルギス、アゼルバイジャンなどに出荷している。カザフスタンの製造業でこれだけ輸出比率の高い企業は多くない。
| 正式名 | ТОО «Кайнар-АКБ»(Kainar-AKB LLP) |
|---|---|
| 前身 | タルディコルガン鉛蓄電池工場(1970年代創業。ソ連に8つあった蓄電池メーカーの一つ) |
| 本拠 | カザフスタン・タルディコルガン(ジェティス州) |
| 事業 | 鉛蓄電池の一貫生産 |
| 生産能力 | 年300万個超、50種類以上 |
| 売上高 | 617億9,000万テンゲ(2024年通期、前年比16.36%増) |
| 純利益 | 16億1,000万テンゲ(2024年通期、前年比34%増) |
| 輸出比率 | 売上の61.1%(2024年) |
| 従業員 | 1,254人(2025年12月時点) |
| 株主 | エルボル・アジマガンベトフ、アミナ・アジマガンベトヴァ |
| 順位 | 第56位(フォーブス・カザフスタン「75大私企業」2025年版) |
沿革
ソ連の解体で旧構成国の取引先との関係が断たれ、工場は一時、閉鎖の瀬戸際に立たされた。その後、長期の設備更新計画に沿って全工程の設備と配管を入れ替え、生産量が安定して伸びる局面に入った。
国家技術開発庁(НАТР)から2件の助成を受け、メンテナンスフリー型の新世代電池の組み立てと、無保守電池向けの鉛帯の鋳造・エキスパンド技術を導入している。カザフスタンの大統領品質賞「アルティン・サパ」を製造業部門で受賞したほか、「競争力のリーダー、ナショナル・チャンピオン」プログラムの参加企業にも選ばれている。
近年の動き
2024年通期の売上高は617億9,000万テンゲで前年の531億テンゲから16.36%増、純利益は16億1,000万テンゲと34%増えた。国内向けが売上の38.9%、輸出が61.1%である。
2025年10月には、産業用蓄電池(非常用電源システムなどに使う据置型)の第3ラインの立ち上げが公表された。第1段階の能力は年10万個で、投資額は100億テンゲである。
一方、カザフスタン証券取引所への報告では2026年上半期(1〜6月)に10億5,000万テンゲの純損失を計上している(同期間の売上高は184億7,000万テンゲ)。同社の証券は同取引所の発行体一覧に登録されており、四半期ごとの財務が公表される。
参考資料
- 75 крупнейших частных компаний Казахстана — 2025 — Forbes Kazakhstan(2025年12月8日) ↗
- ТОО «Кайнар-АКБ» — 公式サイト(沿革) ↗
- «Kainar-AKB» LLP — Kazakhstan Stock Exchange(発行体情報) ↗
この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。