解説 · 2026年8月時点
カズ・ミネラルズ(KAZ Minerals)は、カザフスタンで大規模な銅鉱山を運営する銅生産会社である。2025年の銅生産量は36万9,700トンで、世界の主要な銅生産者の一角を占める。Forbes Kazakhstanのランキングでは、2024年通期の売上高1兆8,100億テンゲ、純利益6,043億テンゲでカザフスタンの私企業の首位に立ち、納税額でも国内最大だった。銅は送電網や電気自動車、再生可能エネルギー設備に不可欠な金属であり、同社の生産動向は世界の銅需給に直接影響する。
| 正式名 | KAZ Minerals International FZCO |
|---|---|
| 登記地 | UAE・ドバイ(ジュメイラ・レイクス・タワーズ)。事業拠点はカザフスタンとキルギス |
| 事業 | 銅の採掘・選鉱・製錬。金、銀、亜鉛、モリブデンを併産 |
| 主な鉱山 | アクトガイ(アバイ州)、ボズシャコル(パブロダル州)の大規模露天掘り、アバイ州と東部の地下鉱山3か所、ボズィムチャク銅金鉱山(キルギス) |
| 銅生産量 | 36万9,700トン(2025年、前年比3%減) |
| 併産金属 | 金13万2,300オンス、銀382万4,000オンス、亜鉛5万3,800トン、モリブデン4,485トン(いずれも2025年) |
| 売上高 | 1兆8,100億テンゲ(2024年通期、カザフスタン部門) |
| 純利益 | 6,043億テンゲ(2024年通期) |
| 従業員 | 1万4,000人超(カザフスタンとキルギス) |
| 所有形態 | 非上場。ウラジーミル・キム氏とオレグ・ノヴァチュク氏がTrianon Limitedを通じて支配 |
二つの大型露天掘り鉱山
生産の中心は、アバイ州のアクトガイとパブロダル州のボズシャコルという二つの露天掘り鉱山である。2025年の銅生産量はアクトガイが22万5,700トン、ボズシャコルが9万7,700トンで、両鉱山だけでグループ全体の9割近くを占める。アクトガイは同年に硫化鉱6,200万トンを処理し、同社にとって過去最高の処理量となった。
残りは、アバイ州と東部地区の地下鉱山3か所、およびキルギスのボズィムチャク銅金鉱山が担う。東部地区は多金属鉱を扱うため、亜鉛や貴金属の産出が相対的に多い。2025年の亜鉛生産量は5万3,800トンと前年比26%増えた。
2025年の生産と販売
2025年の銅生産量は36万9,700トンで、前年の37万9,900トンから3%減った。鉱石中の銅品位が計画どおり低下したためで、同社は処理量の拡大でこれを一部相殺したと説明している。
販売量は35万9,700トンと生産量を3%下回った。年前半に物流の制約が生じたことが理由で、第4四半期の販売は前四半期比39%増の10万6,900トンまで回復した。年末時点で輸送中だったカソード銅の一部は2026年1月に計上される。
所有と情報開示
現在は上場企業ではなく、ドバイに登記されたKAZ Minerals International FZCOがグループの持株会社である。Forbes Kazakhstanによれば、2024年末時点の支配株主はTrianon Limitedを通じたウラジーミル・キム氏とオレグ・ノヴァチュク氏である。
非上場であるものの四半期ごとの生産・販売レポートを公表しており、カザフスタンの銅生産の実勢を確認できる数少ない情報源になっている。
参考資料
- KAZ Minerals(公式サイト) ↗
- KAZ Minerals Group production and sales report for twelve months and Q4 2025(2026年2月20日) ↗
- 75 крупнейших частных компаний Казахстана — 2025 — Forbes Kazakhstan ↗
この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。