解説 · 2026年8月時点
カザフ石油ガス研究所(Казахский институт нефти и газа、略称КИНГ/KING)は、石油・ガス分野の設計とエンジニアリングを手がけるカザフスタンの企業である。2002年の設立で、油ガス田の開発計画、製油所と石油化学、輸送設備、発電設備の設計、探査と研究開発を扱う。本社はアルマトイにあり、アスタナにも事務所を置く。
設立時は国営石油会社カズムナイガスの子会社だったが、政府系持株会社サムルク・カズナの2014〜2016年民営化計画に沿って2015年に売却され、民間企業になった。現在の単独株主はセルゲイ・カンである。
| 正式名 | АО «Казахский институт нефти и газа»(略称КИНГ/KING) |
|---|---|
| 設立 | 2002年 |
| 本社 | カザフスタン・アルマトイ(アブライ・ハン通り77)。アスタナにも事務所 |
| 事業 | 石油・ガス分野の設計、探査設計、エンジニアリング、研究開発、人材提供 |
| 売上高 | 330億6,000万テンゲ(2024年通期) |
| 純利益 | 94億テンゲ(2024年通期) |
| 従業員 | 1,192人(2025年12月時点) |
| 代表 | チンギズ・チェルニヤズダノフ |
| 株主 | セルゲイ・カン(単独) |
| 民営化 | 2015年、サムルク・カズナのグループから約75億テンゲで売却 |
| 順位 | 第71位(フォーブス・カザフスタン「75大私企業」2025年版) |
民営化
サムルク・カズナが2015年8月に公表した発表によれば、カズムナイガスの子会社であった同社の株式100%の売買契約が結ばれ、電子入札の結果として価格は約75億テンゲとなった。売買契約には社会的責任の条項が付され、契約から2年間は人員数、賃金、事業内容を維持することが買い手に義務づけられた。既存の長期・短期のサービス契約の履行も引き継ぐ内容だった。
売却時点のグループ構成は、КИНГ研究センター(100%)、アティラウのНИПИ「カスピムナイガス」(100%)、合弁のКИНГ-КГНТ統合エンジニアリング(50%)、KPJV Limited(20%)だった。同発表は、同グループがテンギズシェブロイルの将来拡張事業(FGP)で設計・建設・調達・プロジェクト管理の業務にあたっていたことにも触れている。
この売却は、サムルク・カズナが同計画で処分対象とした106資産のうちの1件で、当時までに34件・総額574億テンゲが売却済みとされていた。
現在の構成
公式サイトによれば、子会社にエンジニアリング会社カズギプロネフテトランス(ТОО «Инжиниринговая компания «Казгипронефтетранс»)、熱電分野の設計機関カズНИПИエネルゴプロム(АО «Институт «КазНИПИЭнергопром»)、アティラウの研究設計機関НИПИ「カスピムナイガス」がある。カスピムナイガスは20世紀半ばに設立された同国で最も古い設計機関の一つで、国内の主要な石油・ガス事業の多くに関わってきた。
顧客にはサムルク・カズナ傘下の企業群、カズムナイガス、国営の事業者、民間の鉱区権者、政府機関が並ぶ。国家企業家会議所アタメケン、KAZENERGY、カザフスタン・サービス企業連合、エンジニアリング企業連合、エネルギー監査人協会などの業界団体に加盟している。
業績
2024年通期の売上高は330億6,000万テンゲ、純利益は94億テンゲだった。フォーブスの集計によれば内訳は人材提供サービスが183億4,000万テンゲ(55.5%)、設計サービスが147億テンゲ(44.5%)で、売上の半分以上が技術者を顧客の現場に送り出す業務から生じている。
前年の2023年通期は売上高394億テンゲ、純利益225億テンゲ、従業員1,594人だった。2024年は減収減益で、従業員数も1,192人へ減っている。設計会社の業績は大型案件の着工時期に左右されるため、年ごとの振れが大きい。
参考資料
- 75 крупнейших частных компаний Казахстана — 2025 — Forbes Kazakhstan(2025年12月8日) ↗
- АО «Казахский институт нефти и газа» — Forbes Kazakhstan(企業ページ、2024年版・2025年版) ↗
- Казахский институт нефти и газа продан за 7,5 млрд тенге — АО «Самрук-Қазына»(プレスリリース、2015年8月28日) ↗
- АО «КИНГ» — 公式サイト(会社概要) ↗
この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。