解説 · 2026年8月時点
カザフテレコム(Kazakhtelecom)は、カザフスタンの通信最大手である。全国を結ぶ光ファイバー幹線「国家情報スーパーハイウェイ」を保有し、固定ブロードバンド、データセンター、映像配信を手がけるほか、移動体通信のKcellを傘下に持つ。サムルク・カズナのポートフォリオ企業で、カザフスタン証券取引所に1997年から上場している。
| 正式名 | Kazakhtelecom JSC |
|---|---|
| 上場 | カザフスタン証券取引所(普通株KZTK、優先株KZTKp。1997年10月から取引) |
| 株主 | 政府系ファンドのサムルク・カズナのポートフォリオ企業 |
| 事業 | 固定通信・光ファイバー網、データセンター、移動体通信(Kcell)、映像配信TV+、クラウド |
| インフラ | 光ファイバー9万1,000km超、データセンター23か所、基地局1万4,000超(2024年末) |
| 売上高 | 5,682億テンゲ(2025年通期、前年4,829億テンゲ) |
| 純利益 | 1,470億テンゲ(2025年通期、前年772億テンゲ) |
| 総資産 | 1兆4,047億テンゲ(2025年末) |
| 自己資本利益率 | 20.10%(2025年通期) |
| 主な出来事 | 2025年1月、移動体子会社モバイル・テレコム・サービス(Tele2/Altelブランド)の全株をカタールのパワー・インターナショナル・ホールディングへ売却 |
インフラ
同社は9万1,000kmを超える光ファイバー回線と23か所のデータセンターを持ち、主要都市を高速回線で結ぶ(2024年末時点、傘下の移動体事業者を含む)。基地局は1万4,000超で、2024年には全国で1,823局の5G基地局を設置した。銅線ADSLから光ファイバーへの切り替えを大規模に進めている。
国際回線では中国、ロシア、欧州、中央アジア各国と接続する幹線を持ち、通過トラフィックの拡大を狙う。アゼルバイジャンのAzertelecomと折半出資した合弁CASPINET B.V.を通じ、カスピ海の海底を通る光ファイバー(トランス・カスピ海FOCL)の敷設を進めている。中間回廊の物流と並ぶ、通信版の迂回ルート整備である。
2024年にはFacebook、Amazon、Apple、Microsoft、Googleとの直接接続を整え、中継を経ずにトラフィックを交換できるようにした。
移動体事業の再編と2025年の業績
カザフスタンの携帯市場は同社の傘下企業が大きな比重を占めていたため、競争政策上の是正が求められていた。2021〜2025年の民営化計画が改定され、モバイル・テレコム・サービス(Tele2とAltelのブランドを運営)の民間への移管が義務づけられた。2025年1月、同社はカタールのパワー・インターナショナル・ホールディング(PIH)への全株式売却を完了した。対象会社は従業員約2,000人、全国140超の販売拠点を持つ事業体だった。
2025年通期の売上高は5,682億テンゲ(前年4,829億テンゲ)、純利益は1,470億テンゲ(前年772億テンゲ)で、上記の売却が利益を押し上げた。総資産は1兆4,047億テンゲ、自己資本は7,311億テンゲで、子会社の連結除外に伴い前年から減少している。自己資本利益率は9.03%から20.10%へ上がった。
参考資料
- Consolidated financial statements of Kazakhtelecom for 2025 and auditor's report published — KASE(2026年5月12日) ↗
- Information and Communication Operators — Samruk-Kazyna Annual Report 2024 ↗
- Kazakhtelecom Completes Sale of Tele2 and Altel — Orda(2025年1月15日) ↗
この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。