解説 · 2026年8月時点
Kcell(ケーセル)は、カザフスタンの移動体通信事業者である。KcellとactivのふたつのブランドでB2CとB2Bを手がけ、2025年末の契約数は867万人にのぼる。カザフテレコムが筆頭株主で、カザフスタン証券取引所のプレミアム区分に上場している。上場企業として四半期の業績を開示するため、同国の通信市場の動向を数字で追える数少ない存在である。
| 正式名 | Kcell Joint Stock Company |
|---|---|
| 上場 | カザフスタン証券取引所(ティッカーKCEL、プレミアム区分。2012年12月から取引) |
| 筆頭株主 | カザフテレコム |
| ブランド | KcellとactivのマルチブランドでB2C・B2Bを展開 |
| 売上高 | 2,620億テンゲ(2025年通期、8.6%増) |
| EBITDA | 1,066億テンゲ(2025年通期、15.7%増。マージン40.7%) |
| 純利益 | 141億テンゲ(2025年通期、38.9%増) |
| 契約数 | 867万人(2025年末、8.8%増) |
| ARPU | 1,834テンゲ(2025年、0.8%増) |
| 5G | 基地局1,762局(2025年末、うち818局は網共用)。人口カバー率53.54% |
| 設備投資 | 1,028億テンゲ(2025年通期) |
2025年の業績
2025年通期の売上高は2,620億テンゲで前年比8.6%増えた。価格を据え置いたまま達成した成長で、EBITDAは1,066億テンゲ(15.7%増)、EBITDAマージンは40.7%、純利益は141億テンゲ(38.9%増)だった。
契約数は867万人と8.8%増え、モバイルデータ通信量は1,439ペタバイトと66.6%増えた。利用者1人あたりの月間データ使用量は21.5GB(43.8%増)、ARPUは1,834テンゲである。データ需要の伸びが単価下落を吸収する構図になっている。
5Gと網の整備
成長の主な牽引役は5Gである。2025年末の5G基地局は1,762局で、うち818局は他社との網共用の枠組みで設置された。5Gの人口カバー率は53.54%、対応端末の比率は34.6%(前年比7.2ポイント増)に達した。
地方の整備も進め、2025年に965局の基地局を新設して592の村に4Gを届けた。人口カバー率は3Gが93.89%、4Gが86.01%となっている。
設備投資は年間1,028億テンゲと売上の4割近くに達する重い水準だが、同社は開発銀行からの信用枠の獲得などで調達コストを下げ、財務の安定と投資を両立させる方針を示している。2026年はEBITDAマージン38〜40%の維持を見込む。
参考資料
- Kcell JSC Reports Q4 and Full-Year 2025 Financial Results(2026年3月30日、KASE掲載) ↗
- Kcell reports Q4 and 12M 2025 results — KASE ↗
- Kcell(公式サイト) ↗
この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。