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コスタナイ・ミネラルズ

コスタナイ・ミネラルズ(Костанайские минералы)は、カザフスタン北部ジティカラでクリソタイル(白石綿)を採掘・加工する鉱業会社である。同国で唯一のクリソタイル生産者であり、ジティカラの町は同社を中心に形づくられた企業城下町である。製品は繊維状のクリソタイルとして出荷され、主に石綿セメント製品(管や板)の原料になる。

АО «Костанайские минералы»
公式サイト ↗

解説 · 2026年8月時点

コスタナイ・ミネラルズ(Костанайские минералы)は、カザフスタン北部ジティカラでクリソタイル(白石綿)を採掘・加工する鉱業会社である。同国で唯一のクリソタイル生産者であり、ジティカラの町は同社を中心に形づくられた企業城下町である。製品は繊維状のクリソタイルとして出荷され、主に石綿セメント製品(管や板)の原料になる。

日本の読者にとっては、この製品そのものが説明を要する。日本ではクリソタイルを含むすべての石綿の製造・使用が原則として禁じられており、EUをはじめ50を超える国が同様の措置を取っている。世界保健機関(WHO)は「クリソタイルを含むすべての形態の石綿はヒトに対して発がん性がある」とし、曝露を防ぐ最も効率的な方法は全形態の使用をやめることだと勧告している。一方でカザフスタン、ロシア、中国などは採掘と使用を続けており、この違いを踏まえないと同社の事業は理解しにくい。

正式名АО «Костанайские минералы»
操業開始1965年10月13日(ジェティガラ・アスベスト・コンビナート第1期の完成)
本拠カザフスタン・ジティカラ(コスタナイ州)
事業クリソタイル(白石綿)の採掘、クリソタイル繊維の製造、関連建材
鉱床ジェティガラ・クリソタイル鉱床。同社は埋蔵量で世界第4位と説明
累計生産1,800万トン(同社サイト)
売上高387億8,000万テンゲ(2024年通期、前年比7.4%減)
純利益54億3,000万テンゲ(2024年通期)
従業員2,314人(フォーブス、2025年12月時点)。自社サイトは約2,000人と表示
所有者エルキン・タティシェフ、カナト・コプバエフ、ダウレト・ヌルジャノフ、タルガト・トゥルンバエフ
順位第58位(フォーブス・カザフスタン「75大私企業」2025年版)

沿革

1915年、地質学者ヴォズネセンスキーがショルタンドィ川右岸の蛇紋岩に石綿の細脈があることを指摘し、翌1916年の鉱床図にジェティガラの石綿鉱床が記載された。詳細な調査が始まったのは1951年で、ジェティガラ地質探査隊の調査によりソ連有数の鉱床であることが判明した。

1958年6月21日のソ連閣僚会議決定第764号「石綿の採掘と生産のさらなる発展について」がジェティガラ鉱床の開発を決めた。1959年に採掘場の建設が始まり、1965年10月13日に鉱山と選鉱場からなる第1期(年間鉱石処理350万トン、石綿生産20万トン)が国家委員会に受け入れられた。この日が同コンビナートの創立記念日とされる。

その後も拡張が続き、石綿生産能力を年91万トン、鉱石の採掘・処理を年1,250万トンとする拡張計画が承認された時期がある。

クリソタイルをめぐる国際的な議論

同社は自社サイトで、石綿には角閃石(アンフィボール)系とクリソタイル(蛇紋石)系の2群があり、健康被害の大半は角閃石系によるものだとする立場を示している。国際労働機関(ILO)が定めた1立方センチメートルあたり1繊維を下回る曝露水準ではクリソタイルは健康上の顕著なリスクをもたらさない、という見解を引用し、カザフスタン政府は2008年12月24日の首相協議決定第20-5/81号により「管理された使用(controlled use)」の政策を採っていると説明する。

国際的には、クリソタイルをロッテルダム条約の付属書III(事前informed consentの対象リスト)に加える提案が繰り返し否決されてきた。同社は2019年の締約国会議でロシア、カザフスタン、キルギス、シリア、ジンバブエ、ベネズエラ、パキスタン、キューバ、インド、イランの反対により7度目の否決に至ったと記している。

他方でWHOの見解は前述のとおりであり、両者の立場は真っ向から食い違う。同社の製品と業績を読むときは、この対立が輸出市場の範囲を規定していることを念頭に置く必要がある。

業績と構造改革

2024年通期の売上高は387億8,000万テンゲで前年の419億テンゲから7.4%減り、純利益は54億3,000万テンゲ(前年54億7,000万テンゲ)とほぼ横ばいだった。

2024年1月に商社子会社「トルゴヴィ・ドム KM」の全持分を売却し、8月には「ゴルニエ・テフノロギー」を清算した。現在の子会社は「セメイ・クルルス・マテリアルダル」と「ミネラルストロイサービス」の2社である。

参考資料

この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。

コスタナイ・ミネラルズとは | Caspian Intelligence