解説 · 2026年8月時点
マクサム・チルチク(MAXAM-CHIRCHIQ)は、ウズベキスタン・タシケント州チルチク市にある化学メーカーである。ウズベキスタンおよび中央アジアで最初の窒素肥料工場を前身とし、80年以上にわたり同国最大級の肥料・化学品の生産者であり続けている。社名の「マクサム」は、爆薬・化学品を手がけるスペインのマクサム(MAXAM)に由来する。
製品は40種類を超え、尿素、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム尿素溶液(UAN)、粒状窒素硫黄肥料ADU、液体アンモニア、アンモニア水、濃硝酸と希硝酸、気体・固体(ドライアイス)・液体の炭酸ガス、金属ナトリウムなどを含む。肥料のほか、樹脂、触媒、一般消費財も手がける。
| 正式名 | MAXAM-CHIRCHIQ AJ(マクサム・チルチク株式会社) |
|---|---|
| 起源 | 1932年にチルチク窒素肥料工場の建設が決定。1940年の稼働時の名称はチルチク電気化学コンビナート |
| 本拠 | タシケント州チルチク市タシケント通り2(郵便番号111708) |
| 位置づけ | ウズベキスタンおよび中央アジアで最初の窒素肥料工場 |
| 所有 | MAXAMCORP SAU(スペイン)が2007年に49%を取得。残りはウズキミョサノアト系 |
| 事業 | 尿素、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、UAN、粒状窒素硫黄肥料ADU、液体アンモニア、アンモニア水、濃硝酸・希硝酸、炭酸ガス(気体・固体・液体)、金属ナトリウムなど40種類以上の製品 |
| 上位機関 | ウズキミョサノアト |
| 認証 | ISO 9001:2015、ISO 50001:2018 |
沿革
1932年、チルチク窒素肥料工場の建設が決まった。稼働は1940年で、当時の名称はチルチク電気化学コンビナートである。中央アジアで最初の窒素肥料の生産拠点であり、ソ連期を通じて綿花栽培に必要な肥料を供給してきた。
独立後の2002年1月25日、国有企業の非国有化と民営化を深める国家計画に沿って、企業「エレクトロヒムプロム」は開放型株式会社「エレクトルキミョサノアト」へ改組された。2007年にスペインのMAXAMCORP SAUが株式の49%を取得し、これに伴って社名が「マクサム・チルチク」へ改められた。同社はウズキミョサノアトの傘下企業として位置づけられており、公式サイトでもウズキミョサノアトと工業地質技術監督国家検査局へのリンクを掲げている。
製品
肥料では、尿素、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウムのほか、液体の複合肥料であるUAN(尿素・硝酸アンモニウム溶液)と、それを基にした多目的栄養液(MNS)を作る。多目的栄養液は、UAN、アンモホス、塩化カリウムを原料に、窒素・リン・カリウムを組み合わせた液体肥料として供給される。硫酸カリウム(カリウム含有量48%以上)と硫酸マグネシウム(マグネシウム約15%、硫黄12%超)も製造しており、それぞれ塩素に弱い作物や、マグネシウム欠乏の土壌への施用を想定している。
肥料以外では、濃硝酸と希硝酸、液体アンモニアとアンモニア水、炭酸ガス、金属ナトリウム、樹脂、触媒、一般消費財を扱う。製品の規格には、ウズベキスタン国家規格(O‘zMSt)と旧ソ連規格(GOST)の双方が用いられている。
品質と省エネルギーの体制については、外部監査を経てISO 9001:2015とISO 50001:2018の国際認証の発行が推奨されたと同社は説明している。
情報公開
同社は公式サイトに、株主向けの情報として目論見書、計画・経済指標、配当、関連当事者、株主総会、株式、報告書と計算書類、重要事実、監査役会の各欄を設けている。入札・調達の告知も掲載される。
ウズベキスタンの化学工業は、天然ガスを原料とする窒素肥料が中心で、需要の大半を綿花と小麦の栽培が生む。同社とナヴォイヤゾトが窒素肥料の二大供給源にあたり、その稼働率と原料ガスの割り当てが、農業の投入コストに直接影響する構造にある。
参考資料
- About the Company(マクサム・チルチク 公式サイト) ↗
- History of the plant(マクサム・チルチク 公式サイト) ↗
- Shareholders(マクサム・チルチク 公式サイト、株主構成の沿革) ↗
- MAXAM-CHIRCHIQ(公式サイト) ↗
この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。