解説 · 2026年8月時点
モバイル・センター・アート(Mobile Centre Art)は、アルメニアで携帯電話とパソコンを扱う輸入・卸売・小売企業である。日本ではまったく知られていないが、2025年通期には国家歳入委員会の大口納税者リストで首位に立ち、ガスプロム・アルメニアやザンゲズル銅モリブデン・コンビナートを抜いた。電子機器の再輸出という、近年のアルメニア経済を象徴する業態が生んだ企業である。
| 正式名 | Mobile Centre Art LLC(ブランド名Mobile Centre) |
|---|---|
| 創業 | 2005年(店舗チェーンとして) |
| 本社 | アルメニア・エレバン |
| 事業 | 携帯電話・パソコンの輸入、卸売、小売、再輸出 |
| 納税額 | 381億ドラム(2026年1〜6月、国内2位)。778億6,000万ドラム(2025年通期、国内首位) |
| 取扱 | サムスン電子、アップルなどの正規販売代理店 |
事業
2005年に店舗チェーンとして創業し、アルメニア全土で携帯電話と付属品の輸入・卸売・小売を手がける。サムスン電子やアップルをはじめとする主要メーカーの正規販売代理店を務める。事業の内容は機器の輸入・販売と再輸出である。
納税額の推移
2025年通期の納税・関税額は778億6,000万ドラムで、アルメニアの大口納税者1000社の首位に立った。2026年第1四半期にも214億ドラム(前年同期比28.8%増)で首位を維持し、2026年1〜6月には381億ドラムを納めて、首位に戻ったザンゲズル銅モリブデン・コンビナートに次ぐ2位となった。
同社の納税額を押し上げているのは、主にロシア向けの携帯電話の再輸出である。西側の制裁でロシアへの直接輸出が滞るなか、アルメニアを経由する物流が急増した。この構図は同社に限らず、電子商取引のワイルドベリーズのアルメニア事業会社(IMVBAM)や電子機器を扱うプリティ・ウェイなども同じ流れの中にある。
もっとも、この業態は政策の変更に弱い。プリティ・ウェイは2026年上半期の納税額が前年同期比で約85%、96億ドラム減った。再輸出に依存する企業の業績が短期間で大きく振れることを示す例であり、同社の納税額の高さも、輸出規制と物流の経路に左右される性格を帯びている。
参考資料
- First Quarter 2026: Mobile Centre Was Largest Taxpayer in Armenia — Hetq ↗
- ZCMC Reclaims Top Taxpayer Position as Gaming Sector Continues to Grow — MassisPost(2026年7月) ↗
- Mobile Centre(公式サイト) ↗
この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。