解説 · 2026年8月時点
ナヴォイウラン(Navoiyuran)は、ウズベキスタンの国営ウラン企業である。2019年にナヴォイ鉱山冶金コンビナートからウラン部門を分離して設立された。生産量では世界第6位、低コスト生産者としては世界屈指で、原子力発電の燃料供給に関わる企業として国際的に注目されている。日本の読者にとっては、カザフスタンのカザトムプロムと並んで原子燃料サイクルの上流を握る中央アジアの企業という位置づけになる。
| 正式名 | State Enterprise Navoiyuran |
|---|---|
| 本社 | ウズベキスタン・ナヴォイ |
| 事業 | ウランの探鉱・採掘・精錬・販売 |
| 売上高 | 11億1,200万ドル(2025年通期、前年比20.2%増) |
| 調整後EBITDA | 6億2,400万ドル(2025年通期) |
| 調整後純利益 | 4億7,200万ドル(2025年通期) |
| 生産量 | 7,000トン(2025年、前年比35%増)。世界第6位のウラン生産者 |
| コスト | 総現金コスト1ポンドU3O8当たり27ドル、AISC35ドル(2025年) |
| 埋蔵量 | 9万6,600トン(JORC準拠の鉱石埋蔵量、2026年1月1日時点) |
| 株主 | ウズベキスタン国有 |
低コスト生産の理由
同社のウランは、地下の鉱床に薬液を注入して溶かし出す原位置回収法(ISR)で採掘される。坑道を掘る従来の鉱山に比べて初期投資も操業費も安く、地表の改変が小さい。2025年の総現金コストは1ポンドU3O8当たり27ドル、持続可能コスト(AISC)は35ドルで、同年の平均実現価格69.5ドルとの差が大きな利益を生んでいる。
同社は43のウラン鉱床を保有し、鉱物資源量は15万1,100トンにのぼる。2025年にはJORC準拠の鉱石埋蔵量が6万3,400トンから9万6,600トンへ52%増えた(SRKコンサルティングの評価による)。
2025年の実績
2025年通期(監査前速報値)の売上高は11億1,200万ドルで前年の9億2,500万ドルから20.2%増え、過去最高となった。調整後EBITDAは6億2,400万ドル、調整後純利益は4億7,200万ドル、フリーキャッシュフローは2億8,800万ドルから4億6,000万ドルへ59.7%増えた。生産量は5,200トンから7,000トンへ35%増加している。
設備投資は5億5,100万ドルで、鉱山開発に3億2,200万ドル、設備購入に1億6,200万ドル、探鉱・評価に6,700万ドルを充てた。生産の拡大と資源量の積み増しが同時に進む局面にある。
情報開示の姿勢
国有企業でありながら、英語で通期の速報を出し、監査済みの財務諸表と監査人の報告書を毎年5月に公表するという上場企業に近い開示を行っている。生産量、コスト、実現価格、埋蔵量が一つの資料でそろうため、世界のウラン需給を読むうえで有用な情報源になっている。
参考資料
- Navoiyuran announces 2025 Full Year Preliminary Results(公式、2026年) ↗
- Navoiyuran State Enterprise(公式サイト) ↗
この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。