解説 · 2026年8月時点
ナヴォイ鉱山冶金コンビナート(NMMC)は、ウズベキスタンの国営金鉱山会社であり、世界第4位の金生産者である。クズルクム砂漠にある露天掘りのムルンタウ鉱山は、単独の金鉱山としては世界最大の規模を持つ。同社の売上は2025年に108億ドルに達し、国家財政に対する納税額でもウズベキスタン企業の首位を占める。この国の外貨収入と財政を語るとき、必ず名前が出る企業である。
| 正式名 | Navoi Mining and Metallurgical Company JSC(NMMC) |
|---|---|
| 設立 | 1958年 |
| 本社 | ウズベキスタン・ナヴォイ |
| 事業 | 金の探鉱・採掘・製錬・販売 |
| 売上高 | 108億ドル(2025年通期) |
| 金生産量 | 315万オンス(2025年)。世界第4位の金生産者 |
| コスト | 総現金コスト1オンス当たり1,092ドル、EBITDAマージン64.2%(2025年) |
| 資源量 | 1億4,000万オンス |
| 従業員 | 5万人超 |
| 株主・格付 | ウズベキスタン国有。S&Pとフィッチから格付けを取得(2024年) |
ムルンタウと資産構成
1958年に設立され、1960年代に発見されたムルンタウ金鉱床の開発とともに成長した。ムルンタウは露天掘りの金鉱山として世界最大で、確認資源量は1億100万オンスにのぼる。同社全体では12の主要鉱床、7つの湿式製錬所、2つのヒープリーチング施設をナヴォイ州、サマルカンド州、ジザク州に展開し、資源量は1億4,000万オンス、鉱山寿命は30年を超える。
地質探査から製品販売までの一貫体制を持ち、純度999.9の金地金は国際市場で通用するブランドになっている。従業員は5万人を超え、ウズベキスタン有数の雇用主でもある。
業績と資本市場
2025年通期の売上高は108億ドル、金生産量は315万オンス、EBITDAマージンは64.2%、総現金コストは1オンス当たり1,092ドル、純有利子負債はEBITDAの0.3倍だった。低コストの露天掘り資産を抱えることが、金価格の変動に対する耐性を生んでいる。
2024年10月、同社は初のユーロ債として10億ドル(2028年償還の6.7%債5億ドルと2031年償還の6.95%債5億ドル)を発行し、2025年5月にはロンドンで追加の5億ドル(5年、6.75%)を起債した。2024年にはS&Pとフィッチから格付けを取得し、S&Pの単独信用力評価(SACP)はbb+と、ウズベキスタン企業に付与された過去最高の水準になった。政府は株式の最大5%を新規株式公開(IPO)で売り出す方針を示している。
日本の読者にとっての意味
ウズベキスタンの輸出品目のうち金は最大の外貨獲得源であり、その大半をNMMCが担う。国際的な金価格の上下がそのまま同国の経常収支と財政に響くため、同社の生産・販売実績は、ウズベキスタン経済のマクロ指標を読む手がかりになる。上場企業ではないが、ユーロ債の発行体として四半期・通期の実績を英語で公表しており、外部から数字を追える数少ない中央アジアの資源企業である。
参考資料
この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。