解説 · 2026年8月時点
ノルム(Norm)は、アゼルバイジャンのセメントメーカーである。バクー市ガラダグ地区の80ヘクタールの敷地に2013年に操業を始め、クリンカー日産5,300トン、セメント年産210万トンの能力を持つ南コーカサス最大のセメント工場を運営する。NEQSOLホールディングの建設資材部門にあたる。
NEQSOLホールディングは1990年代初頭の石油ガス事業を起点とする国際的な企業グループで、エネルギー(ノーベル・エナジー、ノーベル・アップストリーム)、通信(バクセル、アゼルコネクト・グループ、アゼルテレコム、ボーダフォン・ウクライナ)、鉱業(UMCCチタニウム)、ハイテク投資と並んでノルムを傘下に置く。グループ全体の従業員は1万7,000人を超える。
| 正式名 | Norm OJSC(ノルム開放型株式会社) |
|---|---|
| 操業開始 | 2013年 |
| 所在地 | バクー市ガラダグ地区 |
| 所有 | NEQSOLホールディング |
| 敷地 | 80ヘクタール |
| 生産能力 | クリンカー日産5,300トン、セメント年産210万トン。南コーカサス最大のセメント工場 |
| 建設 | 2011年に中国のCTIEC(China Triumph International Engineering)と建設契約 |
| 原料 | 自社鉱区の石灰石と粘土。火山灰などの混合材は国内市場から調達 |
工場の建設
2011年、ガラダグにセメント工場を建設する契約が中国のCTIEC(China Triumph International Engineering)との間で結ばれた。設計上の能力はクリンカー日産5,000トン、セメント年産200万トンで、南コーカサスで最大の規模になる計画だった。
工場は更地からの新設だったため、周辺の基盤整備も自社で行う必要があった。全長15キロメートルの高圧送電線を敷設し、サンガチャル変電所を改修して出力を200メガボルトアンペアまで引き上げたほか、上水と天然ガスの配管、アクセス道路、通信のための光ファイバー回線を新たに建設した。
同社はその後、能力の増強を進め、クリンカーの年産を176万トンから200万トンへ引き上げた。NEQSOLホールディングは現在の能力をクリンカー日産5,300トン、セメント年産210万トンと説明している。
原料と立地
工場は主原料である石灰石と粘土の豊富な鉱床の上に立地しており、これらは自社が権利を持つ。混合材として使う火山灰などは国内市場から調達する。同社は、保有する原料鉱床の埋蔵量が数十年の操業を賄えると説明している。
生産能力にはまだ余裕があり、需要が増えれば産出量を大きく増やせる状態にあるとしている。アゼルバイジャンのセメント需要は建設投資の動向に左右されるため、稼働率は年による振れが大きい。
NEQSOLホールディングとの関係
NEQSOLホールディングは、エネルギー、通信、ハイテク、建設、鉱業にまたがる国際的なグループで、複数の市場で2,500万を超える顧客に対しサービスを提供していると説明している。ノルムは同グループの「建設資材」部門の唯一の事業会社である。
アゼルバイジャンでは、ノルムのほかにホルシムのアゼルバイジャン事業を引き継いだガラダグ・セメントなどがセメントを生産している。国内の需要に対して能力が過剰になりやすい市場であり、輸出とコスト競争力が経営の焦点になる。
参考資料
- NEQSOL Holding — Norm(公式サイト) ↗
- Norm Cement expands clinker capacity at Azerbaijan plant(International Cement Review/cemnet.com) ↗
- Azerbaijani cement production by Norm Sement(Global Cement) ↗
この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。