解説 · 2026年8月時点
パートナーシップ基金(Partnership Fund)は、ジョージアの主要な国有企業の株式を一元的に保有する政府系ファンドである。鉄道、石油ガス、送電という基幹インフラの持株会社であると同時に、民間案件に共同出資して投資を呼び込む役割も担う。カザフスタンのサムルク・カズナに相当する位置づけだが、資産規模ははるかに小さく、性格も投資促進に重心がある。
| 正式名 | JSC Partnership Fund。現在は Development Fund of Georgia(ジョージア開発基金)の名称も用いる |
|---|---|
| 設立 | 2011年 |
| 本部 | ジョージア・トビリシ |
| 株主 | ジョージア政府が全株を保有 |
| 性格 | 主要国有企業の株式を一元保有する政府系ファンド兼投資基金 |
| 主な保有 | ジョージア鉄道100%、ジョージア石油ガス公社(GOGC)100%、ジョージア国営送電会社(GSE)100%、電力系統商業運用会社100%、テラシ24.5% |
| 純利益 | 3,580万ラリ(2024年通期) |
成り立ちと保有資産
2011年、運輸・エネルギー・インフラ部門の大型国有企業の所有権を集約する形で設立された。全株式をジョージア政府が保有する。傘下にはジョージア鉄道(100%)、ジョージア石油ガス公社(100%)、ジョージア国営送電会社(100%)、電力系統商業運用会社(100%)が並び、トビリシの配電会社テラシの24.5%も持つ。
投資活動の原資は、主にジョージア鉄道とジョージア石油ガス公社が生む収益である。つまり、鉄道の通過貨物とガスの通過収入が、この国の産業政策の資金源になっている。近年は「ジョージア開発基金」の名称も併用しており、2024年通期の純利益は3,580万ラリだった。
投資促進の役割
単なる持株会社ではなく、民間の投資案件に共同出資する機能を持つ。事業の初期段階で株式やメザニン資金を出し、民間資本が入りやすい状態を作ることを目的に掲げる。ガルダバニ第1火力発電所(230MW)にジョージア石油ガス公社とともに49%を出資した例が代表的である。
国内では投資向けの不動産も保有しており、輸入代替の余地が大きい国内生産の育成を重点分野に挙げている。ジョージアの大型インフラ案件や国有企業の再編は、多くの場合この基金を経由するため、その動向はこの国の産業政策を読む手がかりになる。
参考資料
- Development Fund of Georgia(公式サイト) ↗
- Who we are — Georgian State Electrosystem(親会社としての記載) ↗
- Subsidiary Companies — Georgian Oil & Gas Corporation ↗
この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。