解説 · 2026年8月時点
パシャ・ホールディング(PASHA Holding)は、アゼルバイジャン最大の民間企業グループである。2006年の設立以来、銀行、保険、投資、建設、観光、ITへと事業を広げ、2024年末時点でグループ総資産は233億マナト、従業員は2万2,000人を超える。同国の銀行部門の資産の3分の1以上をグループの銀行が占めており、アゼルバイジャンの民間金融を語るときに避けて通れない存在である。
| 正式名 | PASHA Holding LLC |
|---|---|
| 設立 | 2006年 |
| 本社 | アゼルバイジャン・バクー |
| 事業 | 銀行、保険、投資・証券、建設・不動産開発、観光・ホテル、IT |
| 総資産 | 233億マナト(2024年末。前年205億マナト) |
| 総収入 | 30億7,000万マナト(2024年通期。前年24億マナト) |
| 自己資本 | 29億8,000万マナト(2024年末) |
| 銀行部門の資産シェア | アゼルバイジャン銀行部門の36.97%(2024年末) |
| 従業員 | グループ2万2,000人超(2024年末) |
| 主な傘下 | カピタル・バンク、パシャ・バンク(アゼルバイジャン・ジョージア・トルコ)、パシャ・インシュアランス、パシャ・ライフ・インシュアランス、パシャ・キャピタル、パシャ・コンストラクション、アブシェロン・ホテル・グループ、バーバンク、ビルマルケット |
グループの構成
収益の柱は金融である。個人向けに強いカピタル・バンクと、法人向けのパシャ・バンクという二つの銀行を抱え、パシャ・バンクはジョージアとトルコにも銀行子会社を持つ。保険ではパシャ・インシュアランス(損害)とパシャ・ライフ・インシュアランス(生命)、証券・投資ではパシャ・キャピタルとパシャ・インベストメンツが並ぶ。
非金融では、建設・不動産開発のパシャ・コンストラクションとパシャ・デベロップメント、観光のパシャ・トラベルとアブシェロン・ホテル・グループ、ITのパシャ・テクノロジーがある。デジタル分野では銀行アプリのバーバンクとオンライン市場のビルマルケットを「エコシステム」と位置づけ、金融と商取引をつなぐ設計を進めている。
規模と推移
総資産は2023年末の205億マナトから2024年末の233億マナトへ、総収入は24億マナトから30億7,000万マナトへ伸びた。自己資本は28億3,000万マナトから29億8,000万マナトへ増えている。アゼルバイジャンの銀行部門に占めるグループの資産シェアは、2023年末の35.2%から2024年末には36.97%へ高まった。従業員は2万人超から2万2,000人超に増えている。
保有資産は二種類に分けて説明されている。一つはグループ会社に対する支配的な持ち分、もう一つは少数株主として持つプライベート・エクイティ投資である。
読み方
アゼルバイジャン経済は国有部門の比重が大きく、SOCARをはじめとする国有企業が上位を占める。そのなかでパシャ・ホールディングは、民間資本の側から国内金融の中核を占める例外的な存在である。同グループの銀行部門のシェアが上がり続けていることは、国有銀行ABBの上場と並んで、この国の金融の構造変化を示す指標として読める。
参考資料
この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。