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ルスタヴィ・スチール

ルスタヴィ・スチール(Rustavi Steel)は、ジョージア南東部の工業都市ルスタヴィにある冶金コンビナート、ルスタヴィ冶金工場を保有・運営する会社である。同工場は1948年に南コーカサス唯一の一貫製鉄所として設立され、鋼、継目無鋼管、鋳鉄・アルミ・鉄の各種製品を生産した。ソ連解体後の1999年に操業を停止したが、2000年代に外資を含む民間の手で再生が図られ、2011年にルスタヴィ・スチールが資産を取得して現在に至る。

Rustavi Steel
公式サイト ↗

解説 · 2026年8月時点

ルスタヴィ・スチール(Rustavi Steel)は、ジョージア南東部の工業都市ルスタヴィにある冶金コンビナート、ルスタヴィ冶金工場を保有・運営する会社である。同工場は1948年に南コーカサス唯一の一貫製鉄所として設立され、鋼、継目無鋼管、鋳鉄・アルミ・鉄の各種製品を生産した。ソ連解体後の1999年に操業を停止したが、2000年代に外資を含む民間の手で再生が図られ、2011年にルスタヴィ・スチールが資産を取得して現在に至る。

同社はコーカサス地域で最大規模の冶金複合体であり、フォーブス・ジョージアの「100大企業」(2021年決算)では売上高3億3,781万ラリで第30位に入った。ルスタヴィという都市そのものがこの工場のために建設されたモノタウンであり、工場の稼働状況は市の雇用に直結する。

正式名LLC Rustavi Steel(შპს რუსთავი სთილი)
設立2011年(1948年創業のルスタヴィ冶金工場の資産を取得するため)
本拠ジョージア・ルスタヴィ(トビリシの南約30キロ)
事業鉄筋、継目無鋼管、角ビレット、鋳鉄品、金属構造物、シリコマンガン、石灰・石灰石の製造
従業員1,300人超(ハネウェル・パートナーズの説明)/1,600人超(同社サイトの説明)
売上高3億3,781万ラリ(2021年通期。フォーブス・ジョージア「100大企業」第30位)
所有オランダ登録のTolanius Beheer B.V.が全持分を保有。運営にはハネウェル・パートナーズが2011年から関与し、取締役会議長はイラクリ・ルハゼ

ソ連期の工場

1940年、ソ連政府はルスタヴィに冶金工場を建設する決定を下した。地域に原料があり、カスピ海の油田に近いことが理由だった。工事は独ソ戦の勃発でいったん中断し、1944年3月23日に再開された。1946年に発電所や機械修理工場などの補助工場が動き始め、1948年に工場が正式に設立された。

1950年4月27日に最初の平炉鋼150トンが出鋼され、1952年9月には管圧延工場の「ミル140」で最初の熱間圧延継目無鋼管が生産された。1953年12月に改造された「ミル400」は、当時の欧州で継目無鋼管用としては最大級の圧延機だった。1954年に高炉で最初の銑鉄が、同年に最初のコークスが生産され、1955年に薄板と棒鋼の工場が稼働した。1967年には連続鋳造機が最初のスラブを鋳造している。

1975年から1980年にかけて平炉が改修され、1基あたりの容量は150トンから200トンへ引き上げられた。1980年の高炉改修では容積が750立方メートルから1,093立方メートルへ拡張され、1982年に新しい焼結工場が稼働した。1944年から1999年の間に、同工場は約5,000万トンの鋼と3,600万トンを超える鋼管・鉄筋・鋼板などを生産したとされる。ソ連期には、この工場の継目無鋼管がカザフスタン、アゼルバイジャン、トルクメニスタンの油田向けに供給されていた。

停止と再生

1999年、ルスタヴィ冶金工場は操業を停止した。2006年に英国とジョージアの資本による民間企業が株式を100%取得し、再生の作業が始まった。2009年には製鋼工場に誘導炉が設置され、改修された形鋼・棒鋼工場で鉄筋の生産が再開された。2011年には大手の発注を受けて「ミル400」で各種径の継目無鋼管の生産が再開され、同じ年に工場の所有と運営がルスタヴィ・スチールへ移った。

ハネウェル・パートナーズによれば、近年は生産能力の引き上げと地域市場への復帰を目的とした再編・近代化計画が進められており、自動化、省エネ、抽出とリサイクルの自社技術の開発が柱になっている。鉄筋の生産・販売は2014年の6万4,000トンから2019年には12万9,000トンへ倍増した。2019年には新しい電気アーク炉への投資が始まり、1985年以来となる丸ビレットの生産再開を目指している。丸ビレットが自社で作れれば、継目無鋼管の生産能力を活かせるためである。

製品はジョージア国内のほか、欧州連合、米国、中東、そしてアルメニア、アゼルバイジャン、トルコへ輸出されている。品質管理の面ではISO 9001とAPI Spec Q1に基づく仕組みを導入している。同社は継目無鋼管の生産能力を年35万トンとし、近代化が前提だと説明している。

所有と財務

ハネウェル・パートナーズは2011年から同社の経営に関与しており、取締役会の議長はイラクリ・ルハゼである。トランスペアレンシー・インターナショナル・ジョージアの調査によれば、ルスタヴィ・スチールの持分100%はオランダに登録されたTolanius Beheer B.V.が保有し、その上位にはPark Street Capital L.P.があるが、最終的な受益者は公表されていない。同調査は、ルスタヴィ・スチールをオフショア法人が保有するジョージアの主要企業の一つとして挙げている。読み手はこの点を念頭に置く必要がある。

フォーブス・ジョージアが2026年3月に公表した「ジョージアで最も裕福な起業家100人」の一覧は、イラクリ・ルハゼの保有資産としてルスタヴィ・スチールの全体を挙げている。同氏の資産にはこのほか、携帯電話事業者マグティの25%、ジョージアン・セメントの41%、リバティ銀行のほぼ全体が含まれるとされる。

同調査が引用するプライスウォーターハウスクーパースの監査済み財務諸表によれば、2019年12月末の総資産は1億9,200万ラリで前年比26%増、2019年の当期損益は59万2,000ラリの損失、2018年は880万ラリの利益だった。

参考資料

この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。

ルスタヴィ・スチールとは | Caspian Intelligence