解説 · 2026年8月時点
サノアトソディロトボンク(SUEIEBT Sanoatsodirotbonk、タジキスタン産業・輸出銀行)は、財務省が全額を所有する国有銀行である。2020年8月の政府決定で国家企業家支援基金(2014年設立)を改組して設立され、同年10月23日に営業免許を受けた。国内の企業家向け融資を政策的に担う金融機関として位置づけられている。
財務の姿は他の商業銀行と大きく異なる。2026年6月末の総資産13億6,227万ソモニに対し自己資本が7億5,227万ソモニと55%を占め、負債の側は預金4億8,582万ソモニが中心である。国立銀行が算出する流動性比率(К2.1)は308.9%と、他行の70〜100%台から突出して高い。政府が資本を注入し、それを原資に貸し出す構造になっているためである。
| 正式名 | SUEIEBT "Sanoatsodirotbonk"(State Unitary Enterprise Industrial and Export Bank of Tajikistan) |
|---|---|
| 営業免許 | 2020年10月23日 |
| 本店 | タジキスタン・ドゥシャンベ市サアディー・シェロズィー通り21 |
| 事業 | 国有の産業・輸出金融銀行。企業家向け融資 |
| 総資産 | 13億6,227万ソモニ(2026年6月末) |
| 純利益 | 5,041万ソモニ(2025年通期) |
| 自己資本 | 7億5,227万ソモニ(2026年6月末) |
| 授権資本 | 4億6,869万6,114ソモニ(2025年12月31日時点) |
| 株主 | タジキスタン財務省 100% |
| 拠点 | 支店7、銀行サービスセンター5、ATM28台(2026年6月末) |
| 経営責任者 | 頭取 ホキムショフ・ボボゾダ |
| 公式サイト | www.ssb.tj |
設立の経緯
前身の国家企業家支援基金は2014年に設立され、企業家向けの支援資金を扱っていた。ラフモン大統領は2014年10月14日、ドゥシャンベでの企業家・投資家との会合で、同基金の原資を7年間で10億ソモニ積み増すと述べている。
2020年8月の政府決定により同基金は国有単一企業サノアトソディロトボンクへ改組され、基金の理事だったホキムショ・ジュラホン(現在の頭取表記はホキムショフ・ボボゾダ)が頭取に任命された。営業免許の交付は同年10月23日、副頭取2人の任命は11月20日の大統領令による。取締役会には財務次官が加わっている。
業績
国立銀行の集計では、2025年通期の純利益は5,041万ソモニ、ROEは7.0%だった。2026年上期の純利益は3,508万ソモニ、ROEは9.3%。政策金融の性格上、収益性は民間銀行に比べて低い。
2026年6月末の貸出金は6億6,280万ソモニで、2025年6月末の5億3,399万ソモニから1年で24%増えた。払込資本は2026年6月末に5億2,870万ソモニへ増資されている。固定資産が1億250万ソモニと総資産の8%を占めるのも、支店網を自前で構える国有銀行らしい特徴である。
店舗網
2026年6月末の拠点は支店7、銀行サービスセンター5、ATM28台、POS端末148台。プラスチックカードの発行枚数は5万4,871枚で、小売業務の規模は限られる。
参考資料
- 銀行一覧(Banks)— タジキスタン国立銀行 ↗
- 適格保有株主一覧(2025年12月31日時点)— タジキスタン国立銀行 ↗
- 銀行の財務指標(四半期系列のExcel)— タジキスタン国立銀行 ↗
- 「Deputy heads of new Tajik bank appointed」— Asia-Plus(2020年11月23日) ↗
この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。