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セイディ製油所

セイディ製油所は、トルクメニスタン東部レバプ州のセイディ市にある石油精製工場である。国営のトルクメンネビト(Türkmennebit)国家コンツェルンの傘下にあり、カスピ海沿岸のトルクメンバシ製油所群と並んで、同国に二つしかない石油精製拠点の一方を占める。アムダリヤ川の左岸に立地し、ウズベキスタンとアフガニスタンに近いという地理から、西部のトルクメンバシとは別の輸出市場を受け持っている。

Seydi Refinery
公式サイト ↗

解説 · 2026年8月時点

セイディ製油所は、トルクメニスタン東部レバプ州のセイディ市にある石油精製工場である。国営のトルクメンネビト(Türkmennebit)国家コンツェルンの傘下にあり、カスピ海沿岸のトルクメンバシ製油所群と並んで、同国に二つしかない石油精製拠点の一方を占める。アムダリヤ川の左岸に立地し、ウズベキスタンとアフガニスタンに近いという地理から、西部のトルクメンバシとは別の輸出市場を受け持っている。

トルクメニスタンの石油ガス部門は天然ガスに偏っており、石油精製は規模が小さい。同所の原油処理量は2023年通期で48万9,684トンで、これは日量に直すとおよそ1万バレルの水準にとどまる。それでも国内東部の燃料供給と、周辺国向けの石油製品輸出という二つの役割を担っており、レバプ州では最大級の工業事業所に数えられる。

正式名Seýdiniň nebiti gaýtadan işleýän zawody(セイディ石油精製工場)
所在地トルクメニスタン・レバプ州ダーネウ地区セイディ市。アムダリヤ川の左岸
所属トルクメンネビト国家コンツェルンの傘下事業体
主な装置ELOU-AVT型の常圧・減圧蒸留装置、接触改質装置(LCh-35-11型)、道路用アスファルト製造装置
主な製品A-95・A-92・A-80のガソリン、液化石油ガス、軽油、重油、道路用アスファルト、重質減圧軽油
原油処理量48万9,684トン(2023年通期)
製品生産量41万3,000トン(2023年通期)
輸出先ウズベキスタン、アフガニスタン、ジョージア、アラブ首長国連邦
財務売上高・利益・従業員数は公表されていない

立地と所属

工場はレバプ州ダーネウ地区のセイディ市にあり、アムダリヤ川の左岸に位置する。セイディという地名は比較的新しく、この街はもともと製油所の建設に伴ってできた企業城下町で、1990年8月に現在の名称になった。州都トルクメナバートからは川沿いに下った位置にある。

トルクメンネビト国家コンツェルンが公表する組織構成では、同所はトルクメンバシ石油精製工場群(TCOR)と並ぶ独立した精製事業体として挙げられている。同コンツェルンは石油・ガス・ガスコンデンセートの探鉱から採掘、輸送、精製、製品販売までを垂直統合した組織で、傘下には採掘・掘削・修理の各トラスト、地球物理部門、石油製品販売の総局、ハザルネビト国家企業などが並ぶ。

設備と製品

トルクメンネビトの説明によれば、同所の中核をなす装置は三つで、ELOU-AVT型の常圧・減圧蒸留装置、接触改質装置、そして道路用アスファルトの製造装置である。これに付帯設備と補助工場が加わる。原料は原油とガスコンデンセートの双方を受け入れる。

製品はガソリン各種、液化石油ガス、軽油、重油(マズート)、道路用アスファルト、重質減圧軽油である。ガソリンはA-95、A-92、A-80の各号が生産されている。装置構成は分解装置を持たない比較的単純なもので、重質留分の多くは重油や減圧軽油として出荷される。

2015年には年産3万7,200トンの道路用アスファルト製造装置が新設された。2017年には高オクタン価ガソリンの製造に用いる接触改質装置が稼働し、年産能力は50万トンとされている。改質装置の導入により、輸入に頼っていた高オクタン価成分の内製化が進んだ。

生産と輸出の実績

2023年通期の実績は、原油処理量が48万9,684トンで計画を10.7%上回り、製品生産量は41万3,000トンで年間計画の100.2%だった。製品の内訳は、A-95・A-92・A-80のガソリンが23万390トン、軽油が12万3,680トン、重質減圧軽油が3万65トン、重油が5,375トン、道路用アスファルトが2万2,680トンである。

2023年1〜7月の実績としては、ガソリン2万4,500トンをウズベキスタンへ、軽油6万トンをウズベキスタンとアフガニスタンへ、重質減圧軽油2万トンをジョージアへ、軽油1,500トンをアラブ首長国連邦へ輸出したと発表されている。内陸国の製油所としては輸出比率が高く、隣接するウズベキスタンとアフガニスタンが主要な仕向地になっている。

2026年の年初からの実績としては、同年3月時点で原油処理9万6,800トン、ガソリン4万4,100トン(前年同期比102.1%)、軽油2万4,000トン(同105%)、液化石油ガス1万5,900トン、石油アスファルト4,100トンが公表されている。液化石油ガスの伸びが大きく、前年同期の2.6倍とされる。

数字の読み方

同所については、原油処理量と製品別の生産量が国営メディアを通じて随時公表される一方、売上高・利益・従業員数といった企業としての財務情報は公表されていない。生産量の発表も「計画比」の形をとることが多く、計画値そのものは示されないため、絶対水準の推移を追うには各年の発表を積み上げるしかない。

設計上の処理能力についても、公式に確認できる数字は接触改質装置の年産50万トンと道路用アスファルト装置の年産3万7,200トンにとどまる。工場全体の設計能力として引用される数字は出典によって幅があるため、実績値を基準に読むのが安全である。

参考資料

この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。

セイディ製油所とは | Caspian Intelligence