解説 · 2026年8月時点
タウヒド銀行(OJSC Tawhidbank)は、タジキスタンで初めてイスラム銀行の免許を受けた銀行である。既存の商業銀行ソヒブコルボンクを全面的にイスラム銀行へ転換して誕生した。国立銀行が公表する財務指標でも、この銀行だけは「貸出金」ではなく「イスラム・ファイナンス」、「預金」ではなく「イスラム預金」という科目で集計されている。
2026年6月末の総資産は6億265万ソモニ、イスラム・ファイナンス残高は3億3,014万ソモニ。規模は国内では中位だが、タジキスタンにおけるイスラム金融の実質的な唯一の担い手であり、この分野の制度が動くたびに参照される存在になっている。
| 正式名 | OJSC "Tawhidbank"(Тавҳидбонк) |
|---|---|
| 旧名 | OJSC Sohibkorbonk(ソヒブコルボンク) |
| イスラム銀行免許 | 第116号(2019年9月16日、タジキスタン初) |
| 本店 | タジキスタン・ドゥシャンベ市サドリッディン・アイニー通り4/1 |
| 事業 | イスラム銀行業務(イスラム・ファイナンス、イスラム預金) |
| 総資産 | 6億265万ソモニ(2026年6月末) |
| 純利益 | 1,112万ソモニ(2025年通期) |
| 資本 | 1億8,149万ソモニ(2026年6月末) |
| 払込資本 | 8,500万ソモニ(2026年6月末) |
| 拠点 | 支店4、銀行サービスセンター29、ATM66台(2026年6月末) |
| 経営責任者 | 取締役会長 シェラリ・ザルドフ |
| 公式サイト | www.tawhidbank.tj |
イスラム銀行への転換
タジキスタンでは2014年7月26日にイスラム銀行業務法(第1108号)が制定され、イスラム銀行の法的・組織的な枠組みが整えられた。
ソヒブコルボンク(2013年10月14日付の銀行免許で営業)の株主は、この枠組みのもとで銀行を全面的なイスラム銀行へ転換する方針を決め、2017年10月から転換作業に入った。2019年6月12日の株主総会で名称を「タウヒドバンク」に変更し、同年9月16日の国立銀行理事会決定により、国内初のイスラム銀行免許(第116号)が交付された。同時にソヒブコルボンクの従来の銀行免許は失効した。
免許交付にあたり国立銀行のジャムシェド・ヌルマフマドゾダ総裁(当時)は、この出来事が同国の銀行制度に新しい頁を開き、外国資本の誘致とイスラム銀行原則にもとづく銀行の新設につながると述べている。
業績
国立銀行の集計では、2025年通期の純利益は1,112万ソモニ、ROEは6.8%だった。2026年上期は純利益1,792万ソモニ、ROEは19.7%と改善している。
総資産は2025年6月末の3億6,223万ソモニから2026年6月末の6億265万ソモニへ、1年で66%増えた。イスラム・ファイナンス残高も同期間に大きく伸びている。一方、イスラム預金は2026年3月末の1億8,081万ソモニから6月末に1億3,156万ソモニへ減り、代わって国立銀行・他金融機関からの調達が1億1,118万ソモニへ増えた。
固定資産が9,540万ソモニと総資産の16%を占め、他行と比べて重い。自社の建物・設備の比重が大きいことを示す。
店舗網
2026年6月末の拠点は支店4、銀行サービスセンター29、ATM66台、POS端末44台。プラスチックカードの発行枚数は13万5,687枚で、総資産の規模に比べてカードの発行数が多い。
参考資料
- 銀行一覧(Banks)— タジキスタン国立銀行 ↗
- 銀行の財務指標(四半期系列のExcel)— タジキスタン国立銀行 ↗
- 「National Bank of Tajikistan has issued a license to the first Islamic bank in Tajikistan – OJSC "Tavhidbank"」— タジキスタン国立銀行 ↗
この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。