解説 · 2026年8月時点
TBCバンク・グループ(TBC Bank Group PLC)は、ロンドン証券取引所に上場する銀行持株会社である。中核はジョージア最大級の商業銀行TBCバンクで、ライオン・ファイナンス・グループ傘下のバンク・オブ・ジョージアとともに同国の銀行部門の2強を成す。2019年に始めたウズベキスタンのデジタル金融事業が第二の柱に育ちつつあり、コーカサスの銀行が中央アジアの個人金融市場へ本格的に出て行った例として、この地域では珍しい存在である。
| 正式名 | TBC Bank Group PLC |
|---|---|
| 創業 | 1992年(中核のTBCバンク、トビリシ) |
| 本拠 | 登記は英国。事業の中心はジョージア・トビリシ |
| 上場 | ロンドン証券取引所プレミアム市場(ティッカーTBCG) |
| 事業 | 銀行持株会社。ジョージアのTBCバンクと、ウズベキスタンのデジタル金融事業 |
| 総資産 | 439億4,000万ラリ(2025年末) |
| 純利益 | 14億2,000万ラリ(2025年通期、8.6%増) |
| 資金利益 | 23億5,000万ラリ(2025年通期、24%増) |
| 自己資本利益率 | 24.2%(2025年通期) |
| 配当 | 1株当たり年8.87ラリ(2025年通期、10%増) |
沿革
1992年、ママカ・ハザラゼとバドリ・ジャパリゼらがトビリシで設立した。社名は設立時の名称「トビリシ・ビジネス・センター」の頭文字に由来する。独立直後の混乱期に生まれた民間銀行の一つで、2000年代に国際金融公社(IFC)や欧州復興開発銀行(EBRD)の出資を受けて資本を厚くし、西欧型の銀行実務を持ち込んだ。
2014年6月、預託証券(GDR)をロンドン証券取引所のメインマーケットに上場した。2016年にはプレミアム市場へ移り、持株会社TBCバンク・グループPLCが同年8月にTBCバンクの親会社となって現在の体制ができた。ジョージアの銀行がロンドン市場の開示基準で財務を公表するという構図は、この国の金融情報の透明度を大きく引き上げた。
業績
2025年通期は、純利益が14億2,000万ラリと前年比8.6%増え、自己資本利益率は24.2%だった。資金利益は23億5,000万ラリ(24%増)、貸出金は12.8%、顧客預金は12.3%増加した。総資産は2025年末で439億4,000万ラリである。年間配当は1株8.87ラリと前年から10%引き上げられた。
ジョージア国内では決済アプリと個人向けデジタル金融に強みを持ち、リテールと中小企業向けの取引が収益の中心にある。
ウズベキスタン事業
2019年、ウズベキスタンで少額の決済・貸付を扱うデジタル金融事業を立ち上げた。店舗網を作らず、スマートフォンだけで完結する設計にしたことで、人口3,700万人超の市場に短期間で入り込んだ。
2025年第1四半期時点で同国の貸出残高は22億ラリを超え、無担保の消費者ローン市場で17%、個人向け貸出全体で約5%のシェアを握るまでになった。2025年通期は貸出が45%、収益が67%伸びている。一方で同国の規制変更を受けて貸出が一時縮む局面もあり、成長の速度は当局の政策に左右されやすい。グループにとっては、成熟しつつあるジョージア市場の外に成長の余地を求めた投資であり、その成否は株価の主要な変数になっている。
参考資料
- TBC Bank Group(公式サイト) ↗
- FAQ — TBC Bank Group ↗
- TBC Bank reports strong 2025 thanks to fourth-quarter boost — Morningstar ↗
- TBC Bank posts robust 2025 profits as loans and deposits expand — TipRanks ↗
この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。