解説 · 2026年8月時点
テレコム・アルメニア(Telecom Armenia、ブランド名チーム)は、アルメニアの総合通信会社である。携帯電話では契約数2位、固定電話では歴史的に支配的な地位を引き継いで国内首位を占め、固定ブロードバンドでも2位につける。アルメニア証券取引所に株式と社債の双方を上場しており、目論見書を通じて事業の数字が公開されている数少ない同国企業の一つである。
| 正式名 | Telecom Armenia OJSC(ブランド名はTeam) |
|---|---|
| 本社 | アルメニア・エレバン |
| 事業 | 携帯通信、固定電話、固定ブロードバンド、IPTV |
| 売上高 | 340億2,215万ドラム(2023年通期)。2024年上半期は174億5,363万ドラム |
| 携帯契約数 | 104万4,939件(2023年12月末)、105万1,679件(2024年6月末) |
| 市場シェア | 携帯契約数で26%(2023年12月時点、国内2位) |
| 固定回線 | 契約数29万6,448件(2023年12月末)。固定電話で国内首位 |
| 従業員 | 1,928人(2024年6月末) |
| 株主 | 「チーム」CJSC(クラスB普通株の単独株主。議決権の97.92%) |
| 上場 | AMXに株式(AMTL)と社債を上場 |
事業構成
2023年通期の売上高は340億2,215万ドラムで、内訳は携帯通信49%、固定通信37%、機器販売8%、その他6%だった。2024年上半期の売上高は174億5,363万ドラムで、構成は携帯47%、固定40%、機器販売8%、その他6%である。売上高は2021年の317億1,051万ドラム、2022年の345億7,668万ドラムを経て、おおむね340億ドラム前後で推移している。
携帯の契約数は2023年12月末で104万4,939件(前年比9%増)、2024年6月末で105万1,679件だった。契約数ベースの市場シェアは26%で国内2位、機器販売を除く携帯通信サービスの売上高ベースでは19.4%のシェアで同じく2位である(2023年時点)。
固定回線の契約数は2023年12月末で29万6,448件(前年比9%減)、2024年6月末で28万2,879件と減少が続く。音声サービスの契約減が主因である。一方で光ファイバー(FTTH)の契約は2024年6月末に2万6,890件と2023年末比34%増えており、旧来の電話網から光回線への置き換えが進んでいる。固定電話の契約数では引き続き国内首位、固定ブロードバンドの契約数では32%のシェアで2位を占める(2023年12月時点)。
所有構造
クラスB普通株の単独株主は「チーム」CJSCで、1株あたり10議決権を持ち、議決権全体の97.92%を握る。クラスA普通株の株主は1株1議決権で、議決権の2.08%にとどまる。親会社であるチームCJSCは2021年12月30日に「チーム」LLCから組織変更されたもので、その株式は2名の最終受益者が50%ずつ保有する。
2024年6月末時点の従業員数は1,928人で、2023年末の1,899人、2022年末の1,911人からほぼ横ばいで推移している。
設備投資の方向
同社は25Gbpsの次世代ネットワーク構築を掲げ、全国で最大50万世帯を光ファイバー網に接続する目標を示している。4G網は2024年6月末時点で国土の15.35%、集落の21.97%、人口の74.06%をカバーする。2023年には700MHz帯の入札で計40MHzの周波数を取得し、国内3大都市での5G導入を計画している。
資本市場との関わりでは、持続可能性連動債(SLB)の枠組みを整えて社債を発行している。純有利子負債/EBITDA倍率などの財務制限条項を目論見書で開示しており、アルメニアの事業会社としては開示水準の高い部類に入る。
参考資料
- Program Prospectus — Telecom Armenia OJSC(持続可能性連動債の目論見書) ↗
- Telecom Armenia OJSC — 発行体情報(アルメニア証券取引所) ↗
- Telecom Armenia(公式サイト) ↗
この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。