解説 · 2026年8月時点
トルクメンバシ製油所複合体(TCOR)は、トルクメニスタン最大の石油精製拠点である。カスピ海に面したトルクメンバシ市に立地し、国内で消費される石油製品の大半と、輸出向けの製品を生産する。国家コンツェルン、トルクメンネビトの傘下にあり、単独の法人としての財務は公表されていない。
| 正式名 | Turkmenbashi Complex of Oil Refineries(TCOR) |
|---|---|
| 所在地 | トルクメニスタン・トルクメンバシ(カスピ海岸、バルカン州) |
| 位置づけ | トルクメンネビト国家コンツェルンの傘下 |
| 主な装置 | 常圧・減圧蒸留、接触分解、接触改質、水素化脱硫、アルキレーション、異性化 |
| 主な製品 | ガソリン、軽油、潤滑油、ポリプロピレン、アスファルト、石油コークス、船舶燃料、灯油 |
| 輸出先 | 欧州、アジア、中東 |
| 処理能力 | 公表されていない |
装置構成
常圧・減圧蒸留などの一次処理装置に加え、接触分解、接触改質、水素化脱硫、アルキレーション、異性化といった二次処理装置を備える。さらにポリプロピレンの製造設備、アスファルト、石油コークス、潤滑油、ポリプロピレン袋の製造部門を持つ。単純な燃料油の生産にとどまらず、石油化学製品まで手がける複合体である。
付帯設備として、ガスタービン発電所、海水淡水化装置、ボイラー、ポンプ、貯蔵タンク群を自前で抱える。砂漠の海岸という立地では、電力と工業用水を外部に頼れないためである。
同国東部にはもう一つ、セイディ製油所がある。ELOU-AVT-6、LCh-35-11/500、アスファルト製造装置の3系列を中核とし、石油とガスコンデンセートからガソリン、液化ガス、軽油、重油、アスファルト、重質減圧軽油を生産する。
設備投資の経緯
同複合体の主要装置は、対外経済活動国家銀行が調達した外国借款で建設されてきた。同行の記録によれば、基礎潤滑油の製造工場、接触分解装置と接触改質装置、ポリプロピレン工場、軽油の水素化脱硫装置がこの枠組みで導入された。石油ガス部門への同行の融資総額は自己資金と借入を合わせて約22億5,000万ドルとされる。
処理能力や稼働率、生産量といった数字は公表されていない。外部から確認できるのは、装置構成と製品構成、輸出先といった定性的な情報に限られる。
参考資料
- About us — State Concern «Türkmennebit»(公式サイト、英語版。傘下事業体の説明) ↗
- История Банка — Государственный банк внешнеэкономической деятельности Туркменистана(融資実績の記録) ↗
この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。