解説 · 2026年8月時点
ユーコム(Ucom)は、アルメニアの通信事業者である。携帯、固定ブロードバンド、IPTVを一体で提供する統合型のサービスを軸に据え、固定ブロードバンド市場では首位を占める。2025年には国内で最も広い5G網を構築し、人口の94.5%をカバーした。携帯の契約数では3位だが、設備投資の積極性では先行する。
| 正式名 | Ucom LLC |
|---|---|
| 本社 | アルメニア・エレバン |
| 事業 | 携帯通信、固定ブロードバンド、IPTV。統合型サービス事業者 |
| 携帯契約数 | 75万4,515件(2025年第3四半期、前年同期比7%増) |
| 固定回線 | 約14万4,000件。うち7割超が統合サービスを利用 |
| EBITDA | 138億1,300万ドラム(2025年1〜9月)。EBITDAマージン46% |
| 5G | 48都市・600超の集落をカバー、人口カバー率94.5%(2025年) |
| 経営 | ラルフ・イリキアン最高経営責任者 |
沿革
同社の携帯網は、フランスのオランジュが2009年にアルメニアで構築・開業したものである。2015年にユーコムがオランジュから買収し、固定回線と合わせて総合通信事業者となった。旧ソ連圏の通信市場に西欧の大手が参入し、10年足らずで現地資本へ引き継がれた事例である。
2025年の実績
2025年第3四半期の携帯契約数は75万4,515件で、前年同期比7%増えた。固定回線の契約は約14万4,000件で、うち7割超が携帯とブロードバンドを束ねた統合サービスを利用している。固定ブロードバンド市場では首位を保ち、同四半期の契約数は4.0%、売上高は7.3%増えた。
2025年1〜9月のEBITDAは138億1,300万ドラム、EBITDAマージンは46%だった。同社は2019年に56億ドラム、2020年に127億ドラムの損失を計上した時期を経て黒字化しており、投資と収益の両立が続いている。
5Gと設備投資
2025年、同社は国内で最も広い5G網を構築した。48都市と600を超える集落、主要幹線道路、国境検問所をカバーし、人口の94.5%が利用できる。ノキアの機材を用いたノンスタンドアローン構成である。
同年はノキア、メディアキンド、セリリオンとの提携を進め、遠隔顧客対応への人工知能の導入、動画配信基盤「Uplay」の立ち上げ、課金システムの刷新に着手した。Uplayは1アカウントで最大5台の端末に対応し、200を超えるテレビチャンネルと映像ライブラリーを提供する。コンプライアンスと贈収賄防止の分野でISO 37301:2021およびISO 37001の認証も取得している。
参考資料
- Widest 5G Coverage, the Launch of the Uplay Platform, and the Integration of Cerillion: Ucom Summarizes 2025 — ARMENPRESS ↗
- Ucom(公式サイト) ↗
この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。