解説 · 2026年8月時点
ヴァスル銀行(CJSC Vasl Bank)は、ドゥシャンベに本店を置く商業銀行である。マイクロファイナンス機関から段階的に業態を上げてきた銀行で、2025年7月31日に国立銀行から銀行免許(第0000345号)を受けて銀行になった。国立銀行の四半期系列に現れるのも2025年9月末が最初である。
店舗より機械と携帯電話を前面に出す構成が際立つ。2026年6月末で支店は3、銀行サービスセンターは4しかない一方、ATMは298台、発行済みカードは16万8,837枚に達する。総資産4億7,777万ソモニに対して貸出金は5,340万ソモニ(11%)にとどまり、現金1億5,519万ソモニと他金融機関への預け金1億1,823万ソモニが資産の大半を占める。融資よりも決済・送金と現金の取り扱いで稼ぐ構造である。
| 正式名 | CJSC "Vasl Bank"(ҶСК «Васл Бонк») |
|---|---|
| 銀行免許 | タジキスタン国立銀行免許 第0000345号(2025年7月31日) |
| 本店 | タジキスタン・ドゥシャンベ市シノ区ムハンマディエフ通り11/6 |
| 事業 | 商業銀行業務。カード決済とモバイルウォレット「Vasl Pay」が中心 |
| 総資産 | 4億7,777万ソモニ(2026年6月末) |
| 純利益 | 2,758万ソモニ(2025年通期)/1,653万ソモニ(2026年上期) |
| 自己資本 | 1億3,797万ソモニ(2026年6月末) |
| 授権資本 | 1億100万ソモニ(2025年12月31日時点) |
| 株主 | 個人株主1人(Jurazoda D. М.)100%(2025年12月31日時点) |
| 拠点 | 支店3、銀行サービスセンター4、ATM298台(2026年6月末) |
| カード発行 | 16万8,837枚(2026年6月末) |
| 経営責任者 | 取締役会長 ラヒムジョン・シャリフォフ |
| 公式サイト | vasl.tj |
免許の履歴
国立銀行の告知によれば、有限責任会社「マイクロクレジット預金機関ヴァスル」は2019年10月7日付の銀行業務免許(第0000106号)で営業していたが、2019年10月4日の理事会決定第123号により、非銀行信用機関への転換に伴ってこの免許は取り消された。
2022年12月30日の国立銀行理事会決定第151号により、有限責任会社「非銀行信用機関ヴァスル」に対して国内通貨・外貨での銀行業務免許が交付された。さらに2025年7月31日、閉鎖型株式会社「ヴァスル銀行」として免許第0000345号を受けている。同行はタジキスタン預金・貯蓄保険基金の加盟機関である。
業績
国立銀行の集計では、2025年通期の純利益は2,758万ソモニ、ROEは19.3%だった。2026年上期の純利益は1,653万ソモニ、ROEは24.0%、ROAは6.9%。純金利マージンは9.8%と国内では低めで、金利以外の手数料収入の比重が大きいことを示す。
総資産は2025年9月末の3億4,875万ソモニから2026年6月末の4億7,777万ソモニへ9か月で37%増えた。カード発行枚数は同じ期間に7万1,956枚から16万8,837枚へ2.3倍、ATMは227台から298台へ増えている。一方で加盟店のPOS端末は12台にとどまる。
参考資料
- 銀行一覧(Banks)— タジキスタン国立銀行 ↗
- 適格保有株主一覧(2025年12月31日時点)— タジキスタン国立銀行 ↗
- 銀行の財務指標(四半期系列のExcel)— タジキスタン国立銀行 ↗
- 「ООО «Кредитная небанковская организация «Васл» выдана лицензия на осуществление банковских операций」— タジキスタン国立銀行 ↗
- ҶСК «Васл Бонк»(公式サイト) ↗
この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。