解説 · 2026年8月時点
ヴィヴァ・アルメニア(Viva Armenia)は、アルメニア最大の携帯通信事業者である。携帯市場で56.6%のシェアを握り、2位のテレコム・アルメニアに倍以上の差をつける。長くロシアのMTSグループの傘下にあったが、2024年に所有者が交代し、アルメニア政府が2割の株式を保有する体制になった。所有と支配の構図が短期間で二度変わった点で、この国の通信業界の変動を象徴する会社である。
| 正式名 | Viva Armenia CJSC(旧ヴィヴァセル、のちVivaCell-MTS、MTSアルメニア) |
|---|---|
| 営業免許 | 2004年 |
| 本社 | アルメニア・エレバン |
| 事業 | 携帯通信。決済サービスのモビドラムも運営 |
| 市場シェア | 携帯で56.6%(国内首位) |
| 株主 | フェディルコ・グループ・リミテッド(キプロス)80%、アルメニア政府20% |
| 店舗網 | エレバンと地方に74のサービスセンター |
| 買収 | 2025年7月、光ファイバー事業者GNC-Alfa(ブランド名OVIO)の全株式取得を規制当局が承認 |
| 資本市場 | AMXの債券発行体(銘柄コードKTELB1) |
沿革
2004年に営業免許を取得した。2007年9月、株式の80%を売却してロシアのモバイル・テレシステムズ(MTS)の子会社となり、2008年の共同ブランド化でロゴをVivaCell-MTSへ改めた。
2024年1月、MTSグループからの離脱と所有者の交代を発表した。新たな株主はキプロス登録のフェディルコ・グループ・リミテッドで、最終受益者はジェ・ジャンとコンスタンチン・ソコロフとされる。同年3月にブランドをヴィヴァ・アルメニアへ変更した。
2024年2月29日、アルメニア政府はフェディルコ・グループから同社株式の20%を無償譲渡の形で受け取った。2025年8月には、政府がこの20%を5,000万ドルでフェディルコ側へ売却する可能性が伝えられている。
GNC-Alfaの買収
2025年5月7日、光ファイバー事業者GNC-Alfa(ブランド名OVIO)が支配権の移転について公共サービス規制委員会(PSRC)へ申請した。ヴィヴァ・アルメニアが同社の全株式を取得する内容である。高度技術産業省は所管の範囲で異議がないと回答し、国家安全保障局も安全保障上の懸念はないとの立場を示した。
2025年7月2日、PSRCはこの取引に同意し、決定の発効から6か月以内に成立させることを条件とした。GNC-Alfaは2009年にロシアのロステレコムがアルメニア市場へ参入した際の事業体で、2024年11月28日からOVIOのブランドで営業していた。携帯首位の事業者が全国規模の光ファイバー基盤を手に入れる取引であり、固定と携帯を束ねた競争へ市場が動く転機となった。
サービス網
エレバンと地方に74のサービスセンターを持ち、決済サービスのモビドラムの窓口も併設する。携帯通信の契約数シェアは56.6%で、テレコム・アルメニアの26%、ユーコムを大きく上回る。
参考資料
- Regulator has given its consent to the acquisition of 100% of GNC-Alfa shares by Viva-Armenia — ARKA Telecom(2025年7月2日) ↗
- Viva Armenia CJSC — 発行体情報(アルメニア証券取引所) ↗
- Program Prospectus — Telecom Armenia OJSC(携帯市場シェアの記載) ↗
この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。