解説 · 2026年8月時点
ゼット・モバイル(ZET-MOBILE)は、有限責任会社タコム(Tacom LLC)が運営するタジキスタンの携帯通信事業者である。ロシア系のヴィンペルコム(後のVEON)が「ビーライン」ブランドで運営していた事業を、2018年に地場のZET Mobile Limitedが取得し、2019年6月1日にブランドを現在の名称に変えた。
国際的な通信大手がタジキスタンから相次いで撤退した経緯を示す事例でもある。2017年にはスウェーデンのテリアソネラがTセルの株式60%をアガ・カーン経済開発基金(AKFED)へ売却しており、その翌年にVEONも撤退した。
| 正式名 | LLC Tacom(ООО «Таком»)。ブランド名はZET-MOBILE |
|---|---|
| ブランド変更 | 2019年6月1日(「ビーライン」から「ZET-Mobile」へ) |
| タジキスタンでの営業開始 | 2006年9月(ビーライン・ブランド) |
| 免許 | GSM-900/1800、UMTS、CDMA-450、LTE、AMPS |
| 所有者 | ZET Mobile Limited(2018年6月8日にVEONから取得) |
| 公式サイト | zet-mobile.com |
沿革
2005年12月27日、ビーライン・ブランドで事業を展開するヴィンペルコム(Vimpel-Communications)が、タジキスタンの携帯事業者タコムの株式60%を1,200万ドルで取得すると発表した。タコムは2006年9月からビーラインのブランドで携帯サービスの提供を始めた。
2017年2月27日、ヴィンペルコムはVEONへ社名を変更した。2018年4月5日、VEONはタジキスタンの携帯事業子会社をZET Mobile Limitedへ売却すると発表し、同年6月8日に売却の完了を公表した。VEONは、この売却を通信資産の最適化と事業規模の小さい市場からの撤退という戦略の一部と説明し、取引条件は開示しなかった。
2019年5月15日、タコムはブランド変更を発表した。同年6月1日から「ビーライン」に代わって「ZET-Mobile」を使うこととし、黒・橙・黄を組み合わせた新しいロゴを導入した。同社は2026年に、ブランドとしての7周年を告知している。
事業
タコムはタジキスタン国内でGSM-900/1800、UMTS、CDMA-450、LTE、AMPSの各方式による携帯通信サービスの免許を持つ。2026年時点では、eSIM、VoLTE、危険サイトやフィッシングを遮断するセキュリティサービス「ZET Security」、家庭向けインターネット(NETSとの提携)などを提供している。
参考資料
- 「VEON completes sale of Tajikistan operations」— VEON(2018年6月8日、プレスリリース) ↗
- 「Tacom announces rebranding of the company」— Asia-Plus(2019年5月15日) ↗
- ZET-MOBILE(公式サイト) ↗
- 「How is Mobile Communications and the Internet Developing in Central Asia?」— CABAR.asia(2021年10月25日) ↗
この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。