解説 · 2026年8月時点
ACBAバンク(Acba Bank)は、アルメニアの大手商業銀行である。農業協同組合を母体に欧州連合の支援で設立された経緯を持ち、現在も地方の農協連合が株式の多数を握るという、旧ソ連圏では珍しい所有構造を保つ。アルメニア証券取引所に株式を上場する数少ない銀行の一つでもある。
| 正式名 | ACBA BANK Open Joint-Stock Company |
|---|---|
| 設立 | 1996年(欧州連合のTACIS計画の枠組みで設立) |
| 本店 | アルメニア・エレバン、アラミ通り82-84 |
| 株主 | ACBAフェデレーションCJSC 75%、プロパルコ(フランスの開発金融機関)10%(2026年5月時点) |
| 純利益 | 362億4,000万ドラム(2025年通期、前年比27.76%増。国内3位) |
| 格付け | ムーディーズ Ba3(安定的)。アルメニアのソブリン格付けと同水準 |
| 上場 | AMXに株式を上場(ティッカーACBA)。債券も多数発行 |
| カード | 発行枚数100万枚超(2026年5月時点)。国内首位を5年以上維持 |
沿革
1996年、欧州連合の技術支援計画TACISの枠組みで設立された。フランスのクレディ・アグリコル傘下のコンサルティング部門が、オランダのラボバンク、ドイツのDG-アグロプログレスとともに三段階の設立計画を実行した。いずれも協同組合を基盤とする農業金融機関であり、アルメニアの農村金融を担う銀行として設計されたことがわかる。
長らく「ACBA-クレディ・アグリコル・バンク」を名乗ったが、2020年4月29日の株主総会決議により閉鎖型から公開型の株式会社へ組織変更し、現在のACBAバンクへ改称した。証券取引所には2009年2月から会員として参加している。
所有構造
2026年5月時点の主要株主は、農協連合を束ねるACBAフェデレーションCJSCが75%、フランスの開発金融機関プロパルコが10%である。設立に関わったクレディ・アグリコルは社名からも株主構成からも退いており、フランスとの資本関係は公的開発金融の形で残っている。
ムーディーズから長期の現地通貨建て・外貨建て預金および発行体格付けとしてBa3(見通し安定的)を付与されている。これはアルメニア共和国のソブリン格付けと同水準で、同社によれば同国でムーディーズが付与している最高位にあたる。
業績と個人金融
2025年通期の純利益は362億4,000万ドラムで前年比27.76%増、国内3位につけた。上位2行に比べて伸び率が高い。
個人向けでは決済カードに強みを持ち、発行枚数は2026年5月に累計100万枚を超えた。カード市場では5年以上にわたり首位を保っている。人口約300万人の国で100万枚という規模は、成人人口の相当部分に行き渡っていることを意味する。
参考資料
- Acba Bank(公式サイト・投資家向け情報) ↗
- ACBA BANK OJSC — 発行体・主要株主情報(アルメニア証券取引所) ↗
- Ranking of the most profitable banks in Armenia by the end of 2025 — ArmBanks/ARKA(2026年1月23日) ↗
- Acba Bank has issued over 1 million cards, solidifying its leadership in Armenia — ArmBanks/ARKA(2026年8月17日) ↗
この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。
