ORGANIZATION · COMPANY

アルマトイ国際空港

カザフスタン最大の空港。2020年にTAVエアポーツ・ホールディングとVPEキャピタルが運営権を取得し、2024年に新しい国際線ターミナルが開業した。中央アジアの航空貨物の集散地としての位置づけを強めている。

Almaty International Airport
公式サイト ↗

解説 · 2026年8月時点

アルマトイ国際空港は、カザフスタン最大の商業都市アルマトイにある同国最大の空港である。旅客数でも航空貨物でも中央アジアで最大の規模を持ち、欧州・中東・東アジア・南アジアを結ぶ乗り継ぎ地として機能している。首都アスタナが行政の中心であるのに対し、アルマトイは金融と商業の中心であり、この国に投資する企業が最初に降り立つのは多くの場合この空港になる。

2021年にトルコのTAVエアポーツを中心とする企業連合が運営権を取得して以降、ターミナル・エプロン・貨物施設の全面的な建て替えが続いている。2024年6月に新しい国際線ターミナルが開業し、2026年には運輸省との間で総額1,900億テンゲの投資協定が結ばれた。中央アジアの航空需要の伸びを、どこまで施設側が受け止められるかを測る目安になる空港である。

正式名Almaty International Airport JSC(IATAコード ALA)
所在カザフスタン・アルマトイ市マイリン通り2
運営トルコのTAVエアポーツ(85%)とVPEキャピタルの企業連合。株式の移転は2021年4月29日
旅客年間1,200万人超(空港発表、2026年6月時点)
新国際線ターミナル2024年6月1日供用開始
投資協定運輸省との間で総額1,900億テンゲ(2026年5月20日署名)
長期計画「HORIZON2050」により2050年までに年間5,500万人の処理能力を目指す
社長ギョケル・キョセ

沿革

空港としての歴史は1930年にさかのぼる。競馬場の跡地に砂利敷きの滑走路1本で開設され、1936年から1947年にかけてマイリン通りに空港が建設された。ソ連期にはTu-114やIl-62の就航に合わせて滑走路が延伸され、1970年に新しいターミナルが建てられて旧棟は第1ターミナルとなった。

1999年の火災で焼失したターミナルは2000年に再建され、以後は国際線の乗り入れと乗り継ぎ旅客が大きく増えた。2019年にTAVエアポーツとVPEキャピタルの企業連合が取得交渉を始め、2020年に株式譲渡契約を締結、2021年4月29日に株式が移転した。TAVエアポーツの持ち分は85%である。

2024年は節目の年となり、6月1日に新しい国際線ターミナルが供用を開始、11月21日には年間1,000万人目の旅客を迎え、12月3日には貨物ターミナルの取扱量が10万トンに達した。2025年4月9日のワールド・エアポート・アワードでは、新ターミナルが「世界最優秀新ターミナル」、空港が「中央アジア・CIS地域最優秀地方空港」に選ばれている。

所有と運営

運営主体のTAVエアポーツはイスタンブール証券取引所に上場する空港運営会社で、フランスのグループADPとトルコのテペ・インシャートが主要株主である。トルコ、カザフスタン、ジョージア、チュニジア、北マケドニア、サウジアラビア、クロアチア、ラトビアで空港を運営し、2024年の取扱旅客数はグループ全体で1億700万人だった。

同社はジョージアのトビリシ空港(80%)とバトゥミ空港(76%)も運営しており、コーカサスと中央アジアの主要空港が同じ運営者のもとにあることになる。地上支援や免税店、機内食といった空港周辺事業も系列企業が担う垂直統合型の事業構造をとる。

2026年6月にはグループADPの経営陣がブリュッセルでカザフスタンのトカエフ大統領と会談し、年間旅客数が1,200万人を超えたこと、2050年までの投資計画で処理能力を年間5,500万人まで引き上げる方針を示している。

施設と進行中の投資

2026年5月20日、運輸大臣ヌルラン・サウランバエフとアルマトイ国際空港社長ギョケル・キョセが投資協定に署名した。総額は1,900億テンゲで、旅客・貨物の処理能力を高める複数の事業が含まれる。

工事は空港側の設備に集中している。中央アジアで初となる専用の航空機防氷(デアイシング)施設が2026年に最終段階に入り、南エプロンの改修、平行誘導路の新設、誘導路B(ブラボー)の改修、空港運用管制センター(AOCC)の整備、国内線ターミナルの改装が並行して進む。防氷施設はエンジンを稼働させたまま作業でき、使用済み防氷液を回収して処理する設備を備える。

貨物では、中央アジア最大の航空貨物施設の再編が進む。既存の貨物上屋の更新、宅配事業者向けの新センター、管理棟の改装を一体の貨物複合施設としてまとめる計画である。地上支援機材も更新され、2026年8月時点で手荷物トラクター22台、防氷車15台、プッシュバックトラクター7台、除雪車11台、給油車5台が追加された。

路線

2026年に入って就航・再開の発表が続いている。ルフトハンザの運航再開、LOTポーランド航空のワルシャワ線、成都線の開設、アシアナ航空の復便、フライワン・アルメニアの就航、エミレーツ・スカイカーゴの貨物便などである。

2026年6月2日には、キャセイパシフィック航空が2027年第1四半期に香港との直行便を週3便で開設する計画を発表し、空港との間で覚書が交わされた。実現すれば香港とカザフスタンを結ぶ唯一の直行便になる。

参考資料

この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。

MENTIONED IN

キャセイパシフィック、香港〜アルマトイに週3便。2027年第1四半期に同社初の中央アジア路線2026.06.02キャセイパシフィック航空は6月2日、アルマトイへの直行便を2027年第1四半期に開設する計画を発表した。週3便でエアバスA330-300を使い、同社にとって中央アジア初の就航地となる。アルマトイ国際空港も7月23日の告知で第1四半期としている。アスタナ・タイムズは8月21日、就航日を2027年1月9日と報じた。