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アルメニア住宅金融公社

アルメニアの住宅ローン借り換えを担う機関。

National Mortgage Company
公式サイト ↗

解説 · 2026年8月時点

アルメニア住宅金融公社(NMC)は、アルメニア中央銀行が設立した住宅ローンのリファイナンス機関である。個人に住宅ローンを貸すのではなく、銀行や信用機関が実行した住宅ローンを長期・低利で借り換える卸売の資金供給を行う。米国のファニーメイやマレーシアのカガマスに相当する仕組みを、規模を小さくして導入したものと理解するとわかりやすい。

銀行にとっては、短期の預金で長期の住宅ローンを抱える満期のずれを埋める手段になる。制度としては、住宅ローン市場に流動性と安定性をもたらし、中低所得層でも手の届く条件の住宅ローンを成り立たせることを目的に掲げている。

正式名National Mortgage Company RCO CJSC(Ազգային Հիփոթեքային Ընկերություն)
設立2009年。中央銀行決議1/705A(2009年6月3日)により設立、同年6月16日の中銀理事会決定182Aで登録
本拠アルメニア・エレバン
株主アルメニア中央銀行が唯一の設立者
事業銀行・信用機関が実行した住宅ローンの卸売リファイナンス(個人への直接融資は行わない)
規制資本普通株2,924,444株、額面1株17,070ドラム
格付Moody's Ba3(2024年に初格付、2025年もBa3、見通し安定)

設立と位置づけ

2009年6月3日のアルメニア中央銀行決議1/705Aにより設立され、同年6月16日の中銀理事会決定182Aで「ユニバーサル信用機関」として登録された。2011年10月19日の中銀理事会決定1/1167Aで「リファイナンス信用機関」に名称が変更されている。設立者は中央銀行のみで、規制資本は額面1株17,070ドラムの普通株2,924,444株で構成される。

中央銀行が親であることは、金融政策と住宅政策の距離が近いことを意味する。読み手はこの点を念頭に置いたうえで、同社の資金供給が市場の実勢とどう関係しているかを見る必要がある。

事業の仕組み

同社は個人への貸出を行わず、銀行と信用機関に長期・低金利のリファイナンス資金を提供する。提携先にはアメリアバンク、アルドシンバンク、ACBA銀行、コンバース銀行、イネコバンク、エヴォカ、IDバンク、ユニバンク、アララトバンク、ファストバンクなど、アルメニアの主要な銀行と多数の信用機関が名を連ねる。

資金は自己資本のほか、資本市場での起債と国際機関からの調達でまかなう。発行済み債券と今後の起債予定は自社サイトで公表されている。省エネ改修向けの融資枠も設けており、グリーンボンドの枠組みについてはムーディーズからセカンドパーティ・オピニオンを取得している。

格付は2024年にムーディーズから初めて取得し、長期の発行体格付はBa3で、アルメニアのソブリン格付と同水準である。2025年もBa3・見通し安定を維持している。

住宅政策との関係

同社は国の住宅社会プログラムの実施にも関与する。2025年12月、世界銀行の理事会はアルメニアの住宅事業「Housing Response and Mortgage Market Enhancement Project」に総額2億5,000万ドルを承認した。内訳は譲許的資金ファシリティ(GCFF)の無償資金2,440万ドル、IBRD剰余金を原資とする無償資金1,000万ドル、残りがIBRD融資である。

この事業では、4万人を超える難民への家賃補助、約6,500の難民世帯の住宅取得支援と並んで、商業銀行の借り換えを担う同社への資金支援が使途に含まれる。実施主体は労働社会問題省と同社である。

自社サイトでは、住宅ローン市場の統計(住宅価格指数、不動産取引件数、住宅ローン金利、住宅ローン残高)と、自社のリファイナンス実績・省エネ投資の実績を公開している。四半期・年次の財務諸表、監査報告書、健全性指標も掲載される。

参考資料

この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。

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