解説 · 2026年8月時点
アゼルエネルジ(Azerenerji)は、アゼルバイジャンの国営電力会社である。国内の発電の大半を担い、送電網と系統運用も受け持つ。配電は別会社のアゼリシグが担当するため、同社の役割は「つくって送る」ところまでになる。天然ガスを燃料とする火力発電が中心で、水力がこれに次ぐ。近年は解放されたカラバフ・東ザンゲズル地域での中小水力発電所の建設と、太陽光の導入が続いている。
| 正式名 | Azerenerji OJSC |
|---|---|
| 本社 | アゼルバイジャン・バクー |
| 事業 | 発電、送電、電力系統の運用 |
| 発電量 | 123億2,300万キロワット時(2025年1〜6月、前年同期比3.4%増) |
| 内訳 | 火力104億4,100万、水力18億5,100万、太陽光3,070万キロワット時(2025年1〜6月) |
| 主な発電所 | ミンガチェヴィルの「11月8日」火力発電所(出力188万キロワット、2025年6月24日運転開始) |
| 所有形態 | アゼルバイジャン国有 |
発電の構成
2025年1〜6月の発電量は123億2,300万キロワット時で、前年同期比3.4%増だった。内訳は火力104億4,100万キロワット時、水力18億5,100万キロワット時、太陽光3,070万キロワット時である。天然ガスを産出する国であることを反映し、火力が圧倒的な比重を占める。
設備面では、2025年6月24日にミンガチェヴィルで出力188万キロワットの「11月8日」火力発電所が運転を開始した。単独の発電所として同国最大級であり、老朽化した設備の置き換えと供給余力の確保を同時に進める投資である。
解放地域の水力と再生可能エネルギー
近年の建設案件で目立つのが、カラバフおよび東ザンゲズル地域での水力発電所である。2026年7月にはラチンのホチャズ川で「アグブラグ1号」(1万4,700キロワット)、「アグブラグ2号」(1万4,250キロワット)、「シェイランリ」(4,000キロワット)の各水力発電所が運転を開始した。山間部の中小水力を積み上げる形で、地域の電力供給と再生可能エネルギー比率の双方に寄与させる方針がとられている。
2026年7月には、ケルバジャル地区にある「チラグ1号」「チラグ2号」「ソユグブラグ」「メイダン」「ガムシュル」の5つの小水力発電所が、SOCARトレーディングとの協力のもとで国際的な炭素クレジットの認証取得に向けた登録を完了した。発電事業を炭素市場につなぐ動きとして注目される。
アゼルバイジャンの発電設備容量は2025年末時点でおよそ970万〜1,000万キロワットと見積もられている。太陽光と風力の大型案件は、マスダール(UAE)やACWAパワー(サウジアラビア)といった外国資本が担う構図があり、同社は系統への接続と運用を受け持つ立場にある。
参考資料
この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。