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エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)

日本の独立行政法人。石油・天然ガス・金属鉱物資源の安定供給確保を担う。中央アジアではウズベキスタンやカザフスタンでレアメタルの共同地質調査に出資しており、日本の読者にとって当地域と直接つながる数少ない機関のひとつ。

Japan Organization for Metals and Energy Security
公式サイト ↗

解説 · 2026年8月時点

エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は、日本への石油・天然ガス、石炭、水素、地熱、風力、金属鉱物資源の安定供給を目的とする独立行政法人である。2004年2月29日、石油公団と金属鉱業事業団の機能を引き継いで設立された。設立時の名称は石油天然ガス・金属鉱物資源機構で、英語略称のJOGMECはこの旧称(Japan Oil, Gas and Metals National Corporation)に由来する。2022年5月20日に公布された法改正で、水素の製造や風力の調査が業務に加わり、名称も現在のものになった。

業務は、日本企業への出資・債務保証、海外での地質構造調査、技術開発、石油と金属鉱産物の国家備蓄、鉱害防止のための融資に及ぶ。中央アジアでは、日本への金属鉱物資源の供給源を広げる目的で、ウズベキスタンとのレアメタル共同地質調査、カザフスタンの省庁・国営企業との協力覚書の締結が近年の中心になっている。

正式名独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(英名 Japan Organization for Metals and Energy Security、略称JOGMEC)
設立2004年2月29日
前身石油公団と金属鉱業事業団。設立時の名称は独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構
改称2022年5月20日公布の法改正により現在の名称へ
本部東京都港区虎ノ門
理事長髙原一郎
資本金1兆8,710億円(2026年5月18日時点)
支出予算総額2兆2,218億円(2026年度)
役職員数1,147人(2026年4月1日時点)
域内の事務所中央アジア・コーカサスには事務所を置いていない

業務の範囲

JOGMECの法律上の目的は、石油および可燃性天然ガスの探鉱、石炭の探鉱、水素の製造、地熱の探査、金属鉱物の探鉱に必要な資金を供給し、風力利用に必要な風況調査などを通じてこれらの資源開発を促進すること、石油と金属鉱産物の備蓄業務を行うこと、そして金属鉱業による鉱害の防止に必要な資金を貸し付けることである。

実務上の柱は4つある。第一に、日本企業が海外で行う探鉱・開発事業への出資と債務保証。第二に、自ら実施する海外の地質構造調査で、有望地域を洗い出して日本企業に引き渡す。第三に、石油・石油ガス・レアメタルの国家備蓄。第四に、技術開発と技術協力である。中央アジアで行われているレアメタル共同地質調査は、このうち第二の柱にあたる。

資本金は1兆8,710億円(2026年5月18日時点)、2026年度の総支出予算額は2兆2,218億円、役職員数は1,147人(2026年4月1日時点)である。本部は東京都港区虎ノ門、技術センターは千葉市美浜区にある。

ウズベキスタンでのレアメタル共同調査

JOGMECはウズベキスタン鉱山地質省と10年を超える協力関係を持ち、共同地質調査を継続してきた。2024年6月27日には、同省および国営企業ヤンギコン社との三者で、南東部カシュカダリヤ州のロラブラク東部地域を対象とするレアメタル共同地質調査の協定書を締結した。同地域はベリリウム、リチウム、タンタル、ニオブに富む鉱床帯として知られ、これまでの調査でタンタルの分布が確認されている。

条件は、JOGMECが3年間で計300万ドルを拠出し、2026年12月31日までの約2年半で地質調査とボーリング調査を実施するというものである。経済性を有する鉱床を発見した場合には、権益比率を日本側とウズベキスタン側で50対50とする合弁事業を組成できる。タンタルは電子部品のコンデンサや航空機部材に用いられ、供給源が限られる金属で、日本にとっては調達先の分散が長年の課題になっている。

相手方のヤンギコン社は、リチウム、アルミニウム、マグネシウム、グラファイトなどのレアメタルに関する海外投資事業を目的として、2022年にウズベキスタン復興開発基金の下に設立された国営プロジェクト企業である。2024年8月11日には、JOGMEC理事長の髙原一郎とボビル・イスラモフ鉱山地質大臣がタシケントで会談している。

カザフスタンとの協力

2024年8月8日、JOGMECはアスタナでカザフスタン産業・建設省のシャルラパエフ大臣と会談し、金属分野における協力覚書(MOC)を締結した。探査と開発の強化、鉱物資源の有効利用、二次原材料処理技術の開発促進といった分野での協力を進める内容である。カザフスタンはクロム、マンガン、タンタル、銅、亜鉛などに恵まれ、日本にフェロクロムやタンタルを供給している。

2025年12月4日には、国営持株会社サムルク・カズナの子会社であるタウケン・サムルクとの間で、金属鉱物資源の協力に関する覚書に署名した。同月18日には、サムルク・カズナのジャクポフCEOおよびタウケン・サムルクのアブサメトフCEOと会談し、この合意に基づく事業組成に向けて協力を深めることを確認している。

「中央アジア+日本」対話との関係

2025年12月19日から20日にかけて開かれた「中央アジア+日本」対話・首脳会合に合わせ、中央アジア+日本ビジネスフォーラムが開催された。JOGMECはこの場で署名文書を披露し、カザフスタンのトカエフ大統領、タジキスタンのラフモン大統領、ウズベキスタンのミルジヨエフ大統領らと会談している。

ウズベキスタンとの間では、南テンシャンベルト地域におけるレアメタルの共同広域調査に係る覚書に署名した。すでに進めているロラブラク東部地域の調査に加え、対象地域を広げるものである。

JOGMECは中央アジア・コーカサスに事務所を置いていない。海外事務所はバンクーバー、ワシントン、ヒューストン、リマ、サンティアゴ、ロンドン、中東(アラブ首長国連邦)、モスクワ、北京、ジャカルタ、シドニー、ヨハネスブルグにあり、この地域の案件は本部から扱われている。

参考資料

この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。

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