解説 · 2026年8月時点
カザフムィス(Kazakhmys)は、カザフスタンの銅の垂直統合企業である。鉱山、選鉱工場、銅製錬所を一つのグループに束ね、鉱石の採掘からカソード銅や銅荒引線の製造、貴金属の精錬までを国内で完結させている。従業員はグループ全体で約3万8,000人にのぼり、ジェズカズガンやバルハシといった企業城下町の経済を支える存在でもある。
| 正式名 | Kazakhmys Corporation LLP(ТОО «Корпорация «Казахмыс») |
|---|---|
| 現体制の発足 | 2014年 |
| 操業地域 | ウルタウ州、カラガンダ州、アバイ州、ジャンブィル州 |
| 事業 | 銅鉱山の採掘・選鉱、銅製錬、カソード銅・銅荒引線の製造、金銀の精錬 |
| 世界順位 | 精鉱中の銅で世界20位(27万1,000トン)、粗銅で12位(37万7,000トン)、カソード銅で12位(36万5,000トン) |
| 売上高 | 1兆4,330億テンゲ(2024年通期、7.68%増) |
| 純利益 | 636億テンゲ(2024年通期、前年の1,097億テンゲから減少) |
| 従業員 | グループ全体で約3万8,000人(自社公表)。Forbesの集計では3万1,277人(2024年) |
| 所有形態 | 非上場。ウラジーミル・キム氏70%、エドゥアルド・オガイ氏30% |
ソ連期からの系譜
起源は、1920年代から本格的な採掘が始まったジェズカズガン銅鉱床と、1930年代に開発が始まったコニラト鉱床を基盤とするバルハシ工業地帯にある。ソ連期にはジェズカズガン鉱山冶金コンビナートとバルハシ銅製錬所が中央アジア最大級の非鉄金属拠点となり、独立後の民営化を経てカザフムィス社に引き継がれた。現在のカザフムィス・コーポレーションは2014年に設立された事業体である。
同社の公式サイトは、企業城下町の形成から製錬技術の導入まで、100年近い年表を公開している。ジェズカズガンの発見と評価に決定的な役割を果たしたのは地質学者カヌィシュ・サトパエフで、その名はカザフスタンの科学史に刻まれている。
生産と販売先
自社公表によれば、精鉱中の銅の生産量は27万1,000トンで世界20位、粗銅は37万7,000トンで12位、カソード銅は36万5,000トンで12位に位置する(受託原料を含む)。
2024年の売上高は1兆4,330億テンゲ(前年比7.68%増)で、内訳はカソード銅9,830億7,000万テンゲ(68.58%)、金地金1,904億2,000万テンゲ(13.28%)、粒状銀1,089億8,000万テンゲ(7.6%)だった。銅製品は中国とトルコへ、銀は米国へ輸出され、金はすべてカザフスタン国立銀行が買い取っている。純利益は2023年の1,097億テンゲから636億テンゲへ減った。
2025年にはジャンブィル州でシャティルコル選鉱工場を立ち上げた。シャティルコルとジャイサンの鉱床から鉱石を受け入れる施設で、投資額は940億テンゲ、シュー〜バルハシ間の鉄道の負荷軽減も狙いとされる。
参考資料
この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。